【たられば】もし江差線と津軽線が特定地方交通線に指定されたら

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歴史を語るのに「~たら」「~れば」は禁物ですが、やはりそう言いたくなる事もあります。

第二次地方交通線として廃止された松前線は、江差線のスケープゴートにされたかのように言われておりますが、その江差線も廃止の可能性があったのです。

また、本州側の津軽線も、同様に廃止の可能性がありました。


ギリギリで廃止を免れた江差線と津軽線

特定地方交通線の選定に於いては、色々と問題もあったようです。

特によく知られているのは、伊勢線(現伊勢鉄道)や松前線などでしょう。

松前線は、赤字とは言えある程度の収益があった五稜郭-木古内間が江差線に属していた事から第二次廃止対象にされてしまった路線です。

この区間が松前線だったら、逆に江差線が廃止になっていた筈だったのです。

とは言え、その江差線も、実は廃止を逃れたのはギリギリだったようです。

特定地方交通線は、輸送密度が 1キロ当り四千人に満たない路線が対象となっておりました。

ですが、ピーク時に一方向一時間当り千人以上の利用がある区間は除外されると言う特例があり、これに依り江差線は第三次地方交通線の選定を逃れたのです。

  • この他には、

    • 並行道路が充分でない
    • 並行道路が冬期の積雪で十日以上不通になる
    • 平均乗車キロが30キロ超で、輸送密度が 1キロ当り千人以上ある路線

    も除外対象となりました。

    最も、只見線は並行道路が積雪で不通になるから廃止しなかったと言いますが、その只見線自身も積雪で運休になるので廃止を逃れた以上の意味はないのですが…。

また、江差線だけでなく、津軽線も同様に廃止候補となったものの、同じ理由から廃止を免れました。

それでは、もし江差線と津軽線が廃止回避条件を満たせていなかったら、どうなっていたでしょうか。

今回はそれを考えてみましょう。

  • もっとも、この特例がなかったら、石北本線や宗谷本線など、旭川以北の路線が全て消えた筈なので、このような条件を出さざるを得なかったのかも知れません。

津軽海峡線はどうなる?

江差線と津軽線が普通のローカル線であれば、松前線と同様にバス転換すればいいだけの話です。

ですが、ご承知のように津軽線の青森-中小国間と江差線の五稜郭-木古内間は津軽海峡線の一部を成しております

つまり、江差線と津軽線が特定地方交通線の扱いを受けたら、津軽海峡線は開業出来なかったのです。

そもそも、津軽海峡線は、本来北海道新幹線のために建設された青函トンネルが開通したにも拘らず、昭和62年(西暦1987年)当時北海道新幹線整備の目処が立っていなかったため、在来線として暫定営業する事になったものです。

ですが、江差線と津軽線が廃止されてしまったら、青函トンネルの入口へ至る経路と出口から先の経路が消えてしまいます。

このため、もし江差線と津軽線が第三次特定地方交通線の指定を受けたら、どうなっていたのかと言う疑問が湧いたのです。


可能性 1・江差線と津軽線の特定地方交通線指定を取消す

先ず一番目ですが、津軽海峡線への組込を理由に、江差線と津軽線の特定地方交通線の指定を取消すと言うものです。

  • 当然、津軽海峡線と関係のない中小国-三厩間と木古内-江差間も廃止を免れます。

これが最も現実的な対処と思われます。

実際、並行道路が充分でない事を理由に、名松線と岩泉線は特定地方交通線の指定を取消されました。

建設中だった鉄道建設公団建設線についても、大洗鹿島線と内子線は輸送密度が四千人を超える見込みであると言う理由から建設凍結を免れました。

ただ、これを許してしまったら、特に伊勢線沿線からの怒りの声が更に大きくなっていたでしょうねえ。

既に紀勢東線特急『南紀』のバイパスルートとなっていて有用な路線だったのに、『南紀』の通過旅客数を算入しなかった事から第二特定地方交通線に指定されてしまったのですから。


可能性 2・江差線・津軽線としては廃止し、跡地を海峡線に再利用する

二番目の方法は、ローカル線としての江差線及び津軽線は廃止とし、津軽海峡線に必要な区間の跡地のみを海峡線の一部として再利用すると言うものです。

具体的には、中小国-三厩間と木古内-江差間を廃止し、

  • 木古内-五稜郭間の途中駅
  • 津軽線は蟹田駅以外の駅

も全廃して線路だけを引継ぐと言うものです。

勿論、地域列車はバス転換となります。

但し、木古内-五稜郭間或いは江差線全線をバス転換せず道南いさりび鉄道に転換される事も考えられます。

江差線が道南いさりび鉄道に転換された場合、木古内-五稜郭間はいさりび鉄道は第二種鉄道事業者とすれば良いでしょう(北海道新幹線開業後に第一種鉄道事業者に移行)。

江差線と津軽線を廃止して津軽海峡線を開業する場合、津軽海峡線の都市間旅客列車は全て特別急行となりますが、津軽海峡線は普通列車の運用を前提としないので、いわゆる"石勝線特例"は適用しません。

つまり、青春18きっぷでの移動は出来なくなります。

尚、青函連絡船は海峡線特急と貨物列車がその役目を継承するため、当然廃止となります。

  • 強いて言うなら、普通列車の機能は民間のフェリーに転換される事となるでしょう。

江差線及び津軽線廃止の時期に依っては、それぞれ廃止するまでは普通列車も走らせる事となるかも知れませんが、それも従来の江差線なり津軽線なりの区間のみの運転とします。

  • ただ、江差線及び津軽線の廃止が遅れた場合、廃止を巡って一悶着ありそうな気がしますが…。

後は北海道新幹線開業までこの体制を続ける事となるのです。

余りにも杓子定規な特定地方交通線処理のやり方を見ていると、これも可能性としては充分考えられます。


可能性 3・青函トンネルは北海道新幹線開業まで放置する

北海道新幹線が開業するまで、完成した青函トンネルは供用しないと言うものです。

当然、青函連絡船はその日まで存続と言う事になります。

しかし、幾ら何でも流石にこれはあり得ないでしょう。

青函トンネルを北海道新幹線開通まで放置する訳にはいかないからです。

それこそ、一兆円近く掛かった建設費を海に沈める愚行とさえ言えるでしょう。

事実、北海道新幹線の暫定開業は平成28年、実に二十八年間も放置する事になり、その間無収入で排水を続けなければならなかった事になります。

  • 実際、新幹線が作れないなら青函トンネルなんか沈めてしまえと言う自棄糞(ヤケクソ)な声もあったようです。

結論

江差線と津軽線が第三次地方交通線に選定されたとしても、津軽海峡線は開業していた可能性は高かったと思われます。

ただ、青春18きっぷで津軽海峡を越えられない可能性もあったでしょう。

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