北海道新幹線開業後の青春18きっぷでの青函越えの可能性

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  • お知らせ:平成27年10月の北海道新幹線の運賃・料金発表に伴い、金額などを修正しております。

北海道新幹線が開業すると、奥津軽いまべつ-木古内間には旅客在来線列車は一切走らなくなる事が確実視されております。

加えて、既に江差線の木古内-五稜郭間の道南いさりび鉄道への経営移管が決定しております。

この結果、奥津軽いまべつ-木古内間について、青春18きっぷでの通過は不可能になる事になります。

このため、

  • 北海道新幹線の奥津軽いまべつ-木古内間に特急料金免除特例を導入しろ
  • 道南いさりび鉄道・木古内-五稜郭間について青春18きっぷでの通過特例を適用しろ

などと言う、何処までも図々しい妄言を垂れ流す者もおります。

今回は、その妄言を改めて木っ端微塵に粉砕…もとい、その妄言提言が実現する可能性を改めて検証してみましょう。


北海道新幹線が青春18きっぷだけで乗れるようになるか?


特急料金免除特例

旅客鉄道会社では、列車を普通列車と急行列車に二分し、後者に対しては急行料金を課するものとしております。

  • ここで言う急行列車とは、広義の急行列車すなわち普通急行列車(狭義の急行列車)と特別急行列車の事を指します。

しかし、実際には、急行料金(実際には特急料金)を課金しない線区が存在します。

どのような場合に特急料金が免除されるのでしょう?


類型 1:普通列車の代替として

本来、在来線は普通列車を走らせるために建設されるものです。

しかし、超過疎地域の路線など、普通列車の運行が経営上重荷になると判断される場合、そこを通過する広義急行列車があればそれを普通列車の代替として利用出来るようにするのが得策となります。

石勝線の新得-新夕張間は開通当時から普通列車を走らせるだけの需要がない事から、札幌と帯広・釧路を結ぶ広義急行列車を普通列車の代替としておりました。

その後、津軽海峡線に於いても、唯一の普通列車だった快速『海峡』が廃止となり、その代替として青函特急『白鳥』などを利用可能にする措置が執られました。

ここで注意したい事は、これまでの特例実施事例は、あくまでも普通列車の運行を前提とした路線に限られると言う事です。

つまり、普通列車の運行を想定していない線区では、仮令在来線であってもこのような特例は実施されません。

具体的には、博多南線や上越線のガーラ湯沢支線が該当します。

これらはいずれも、新幹線の車庫への引込線を営業路線としたもので、従って普通列車の走行は初めから想定されておりません。

ゆえに、特急料金免除規定は不要と判断される事となります。

同様に、新幹線は初めから普通列車を走らせる事を前提としないため、新幹線の独立駅発着であっても特急料金免除は一切なされません(例:上毛高原, 安中榛名, 本庄早稲田など)。


類型 2:特急料金の徴収が困難な区間

特別急行列車の停車駅間が極端に短い場合、特急料金の取り零しを防ぐのが困難な場合があります。

或いは、中心駅を経由しない新幹線駅から中心駅へのフィーダとしての短距離利用が想定される場合もあります。

このような場合に、特例として特急料金の徴収を行わない措置を執る場合があります。

具体的には、宮崎空港線・宮崎-宮崎空港間や奥羽本線・新青森-青森間が該当します。

これらの区間には普通列車も相当数運行されているのですが、駅間が短いため車掌の検札が及び難く、徴収を諦めたのではないかと思われます。

  • 下手に徴収漏れを防ごうとすると人件費がかかって却って不利益になってしまうのでしょう。

実際、制作者は宮崎空港から南宮崎までの間『にちりん』のグリーン車自由席を利用した事がありましたが、下車までに車掌が来る事はありませんでした。

  • その時に使用した乗車券は、今は亡き『九州グリーン豪遊券』だったため、グリーン車自由席への乗車は問題なかった筈です。

北海道新幹線に特例はあるか…?

  • 平成27年10月の北海道新幹線の運賃・料金発表に伴い、金額などを修正しております。

さて、ここからが本題です。

平成28年に北海道新幹線が暫定開業され、その際に津軽海峡線は在来線旅客列車が全廃となる事が確実視されております。

それでは、在来線旅客列車が全廃された場合、北海道新幹線の奥津軽いまべつ-木古内間に特急料金不要の特例は設定されると思うでしょうか?

答えは勿論ノーです。

先ず、新幹線が特別急行列車のみである事から、北海道新幹線は普通列車を走らせる事を想定していない路線である事は明らかです。

つまり、類型 1には該当しないと言う事になります。

また、新幹線のため、乗車前後の改札で特急券を確認しており、従って類型 2にも該当しない筈です。

更に言えば、特急料金不要の特例を設けてしまうと、ともすれば新青森から木古内に向かう際に、特に急いでいない者が

  1. 一旦奥津軽いまべつで途中下車して、
  2. (恐らくその一、二時間後に)再度奥津軽いまべつから乗車券だけで利用する

と言う行為が横行する事になるでしょう(新青森-木古内間は100キロ超のため途中下車が可能)。

これを許してしまうと、特急料金収入を大幅に減らしてしまう事になります。

  • 新青森-木古内間の立席特急料金は 2,800円となる予定ですが、新青森-奥津軽いまべつ間は一駅区間の特定料金 1,490円となり、差引 1,310円もの損失になってしまいます。
  • 新青森以南からであっても、やはり北海道旅客鉄道の取り分が減ってしまうでしょう。

その他にも、何度も言っている事ですが、北海道新幹線開通後は整備新幹線の線路使用料を払わなければなりません。

現状、国は既存区間に関する線路使用料収入を充分とは思っておらず、北海道旅客鉄道に対しても相当なノルマを課して来る事になるでしょう。

そうなると、上記のような裏技を許す事は出来ない筈です。

以上の事を考えると、奥津軽いまべつ-木古内間の特急料金免除特例はあり得ないと言い切っても良いと思われます。

否、考えれば考える程、特急料金免除の期待が諦めに変わって行くとさえ言い切れます。

  • どうせ青函トンネル内は140キロ毎時しか出せないのでミニ新幹線扱いにすれば、在来線扱いとなって特例が適用出来ると言う妄言案も出そうですが、貨物列車があるから速度制限があるだけなので無理でしょう。

    • 蛇足ですが、100キロ以内の一駅区間なら在来線の自由席A特急料金より新幹線特定特急料金の方が安くなりますが、津軽海峡線はB料金のため、若干在来線の方が安くなります。

免除特例を導入した場合の損害は幾ら?

さて、某自称旅行会社社長に依る特急料金免除特例の導入要求は言うまでもなく青春18きっぷだけで乗車出来るようにしろと言うのが目的です。

それを許してしまったら、北海道旅客鉄道はどれだけの損害を負う事になるでしょう?


正規の運賃・料金なら手取り 2,585円に

北海道新幹線の奥津軽いまべつ-木古内間の運賃は、営業キロ 74.8キロにつき 1,450円となります(消費税 8%の場合)。

話しを公正にするため、消費税と売上報酬を差引いた金額で考えると、

  • 1,450円 ÷ 1.08 × 0.95 ≒ 1,275円

となります。

また、同区間は特定特急料金が適用出来、その金額は 1,490円となります。

これも消費税と売上報酬を差引いた金額で考えると、

  • 980円 ÷ 1.08 × 0.95 ≒ 1,310円

となり、従って運賃と特急料金の合計は、

  • 1,275円+1,310円= 2,585円

となります。


青春18きっぷの山分けがなくても損をする!

さて、青春18きっぷの売上から一回当りの収入を計算すると、

  • 2,370円 ÷ 1.08 × 0.95 ≒ 2,084円

と言う事になります。

実際には後述のように、各旅客鉄道会社で山分けされる事になるのですが、そのような事を勘案するまでもなく、ご覧のように明らかに青春18きっぷだけで新幹線に乗せるのは損と分かります。

たった 五百円程度じゃないかと反論するかも知れませんが、この区間だけしか乗らないと言う事はまず無いため、実際には他の区間の利用でその分目減りする事となります。

  • 例えば、東京-木古内間青春18きっぷ一回分だけで移動しようとすると、全営業キロ 897.6キロのうち 74.8キロとなりますから、営業キロで按分すればたったの 8.33%しかなりません。従って、新幹線・奥津軽いまべつ-木古内間の売上はたったの 173円、つまり初乗りに毛が生えた程度の利益しか出ないのです。

勿論、青春18きっぷでは利用状況を追跡出来ないため、各利用者ごとの収益を算出する事は不可能ですが、利用状況から利益が殆ど出ない事くらいは北海道旅客鉄道も充分認識している事でしょう。

いずれにしても、2,084円も利益が出ると言うのは大嘘なのです。


山分けを考慮したら目も当てられない損害に!

実際、何度も言っておりますが、青春18きっぷは一回分の 2,084円が丸ごと特定の一社の懐に入る訳ではありません

青春18きっぷの収益は旅客鉄道会社六社で山分けされます。

最も有力と言われている在来線総営業キロでの按分説を採るなら、北海道旅客鉄道は全体の12%しか無いため、

  • 2,084円 × 0.12 ≒ 250円

つまり、正規運賃・料金の約十の一、金額にして 2,335円もの損失となってしまいます。

勿論、青春18きっぷの収益分配比率は公表されていないから上記が正しいとは言い切れないと反論される方もいる事でしょう。

  • 酷いのになると、こう言う数字を提示しただけでカ○ワなど障碍者呼ばわりする自称専門職もいますし。

ですが、既に山分け以前に北海道旅客鉄道は確実に損をするのが明らかなので、もはや比率を語る意味など無いでしょう。


18乞食でも乗せる方が空気輸送より本当にマシか?

また、18きっぷでも空気輸送よりはマシだろうと言う反論もあるかも知れません。

でも、本当に空気輸送なら奥津軽いまべつ通過で無駄な経費が消えるので、余計な経費を出して乞食を乗せるよりマシです。

それに、正規運賃・料金を払わされた人たちが、このような扱いがあると知ったら納得するでしょうか?

それこそ、"不公正な青春18特権"と呼ばれてもおかしくありません。

つまり、青春18きっぷで青函越えが不可能になろうが、新幹線にまで18きっぷだけでで乗せるような行為は、一般乗客を蔑ろにした青春18乞食に対する過剰な逆差別でしか無いのです。


道南いさりび鉄道の通過特例は?

続いて、道南いさりび鉄道での通過特例はあり得るかです。

これも結論から言えばノーでしょう。


これまでの通過特例

第三セクタ鉄道会社の通過特例が実施されている線区は、いずれも他の旅客鉄道線と連絡がない孤立した路線の接続駅間のみとなっております。

東北新幹線

野辺地で大湊線, 八戸で JR としては孤立している八戸線が接続し、これらへ青森から連絡出来るようにする必要がありました。

花輪線は反対側が奥羽本線と繋がっているため孤立しておらず、従って通過特例の対象外となります。

北陸新幹線

高岡で城端線と氷見線、津幡で JR 七尾線が接続し、このためそれぞれ金沢及び富山から連絡出来るようにした訳でしょう。

大糸線には特例はありませんが、これは反対側に東日本区間が続くため JR として孤立していないからでしょう。

これらから、完全に孤立しない限り通過特例はないと考えるべきでしょう。


江差線の場合

一方、北海道旅客鉄道は、江差線非電化区間(木古内-江差間)について、新幹線開業後は JR 線として孤立してしまう事を理由に、同線区を平成26年 5月12日に廃止してしまいました。

この結果、木古内で接続する孤立在来線が消え、通過特例の根拠も完全に失われました。

つまり、通過特例を言うなら、その前に江差線非電化区間の廃止を反対すべきだったのです。

  • まぁ、同線区は北海道最悪の営業係数だったため、内地の人間が幾ら喚いても廃止を阻止出来なかったでしょうけどね。

いずれにしても、道南いさりび鉄道の木古内-五稜郭間の通過特例はあり得ないのは間違いないでしょう。

  • 道南いさりび鉄道は、肥薩おれんじ鉄道より環境が悪いとさえ言われております。

    そのような会社に"無賃乗車"を強いる事は無理でしょう。

    • 下手に通過特例を強制すると、優越的地位の濫用になってしまう恐れも否定出来ません。

結論

以上より、平成28年度からは青春18きっぷでの青函越えが不可能になるのはほぼ間違いないと言うのが改めて明らかになりました。

そして、その事からか、青春18きっぷを安楽死させるかのような動きが実際に見られております。

確かに、青函間が寸断された状態で青春18きっぷを出せば、不良18ゴロどもに依る犯罪行為が起きる恐れは否定出来ません。

もはや青函越え云々以前に、青春18きっぷの存続を求めるのが先ではないのでしょうか。

最後に、制作者の予想をまとめておきたいと思います:

北海道新幹線の特急料金免除特例実施
あり得ない
道南いさりび鉄道の通過特例
あり得ない
青春18きっぷの廃止可能性
低く見積もって60%くらいか?
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