東九州新幹線が整備されるとしたら?

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ポスト整備新幹線として、基本計画路線が設定されている自治体が誘致に向けて動いております。

その中には日豊本線に並行する経路となる東九州新幹線の沿線自治体も含まれます。

今回は、東九州新幹線の可能性などを考えてみたいと思います。


東九州新幹線とは

東九州新幹線は新幹線基本計画にてあげられている路線の一つで、北九州市から大分市を経て鹿児島市に至る路線、すなわち日豊本線に並行する新幹線計画路線です。


整備区間は小倉-宮崎間で一部ミニ新幹線が妥当

個人的には整備される区間は小倉-宮崎間とし、

  • 小倉-佐伯間と延岡-宮崎間はフル規格
  • 佐伯延岡間は新在直通(ミニ新幹線)での暫定整備

が妥当と考えます。


佐伯-延岡間をミニ新幹線とすべき理由

と言うのも、並行在来線である日豊本線・佐伯-延岡間の輸送密度が余りにも低いからです。

この区間は普通列車は一往復半しかなく(令和 3年度ダイヤ)、従ってこの輸送密度はほぼ全て特急列車の利用者に依る値と考えられます。

その値は 353人/キロ/日(令和 2年度)。一日十六往復三十二便の運行と仮定すると一便辺り約 11人。

とてもではありませんが、新線を整備するに値しない数値です。

収支改善どころか、九州旅客鉄道が更なる赤字を背負う逆効果もあり得ます。

勿論、新幹線効果で山陽地方や阪神地方からの旅客流入増は期待出来るでしょうが、それは未知数です。

結局、佐伯-延岡間はミニ新幹線で暫定整備し、同区間の輸送密度が大幅に向上した際にフル規格に切り替えれば良いのです。



延岡以南はフル規格にしても良いが…

佐伯-延岡間をミニ新幹線で整備しても、延岡-宮崎間はフル規格で問題ありません。

但し、延岡以南もミニ新幹線車輌だけが走る形になるでしょう。

ミニ新幹線と言えば「鰻を頼んだのに穴子を出すのか」とお決まりの文句が出そうですが、ミニ新幹線車輌でもフル規格線区では 320キロ毎時で走れます。

ですから「延岡以南はミニ新幹線が走るフル規格」としても輸送力は改善されないもののフル規格新幹線ならではの速達性と災害への強さは享受出来ます。


宮崎以南の整備は難しい?

正直、東九州新幹線の鹿児島中央までの整備は九州新幹線との二重投資になるような気がします。

加えて、日豊本線の南宮崎-都城間は輸送密度が低い(令和 2年度で2,540人/キロ/日)ため第三セクタへの経営分離はかなりの負担を伴います。

都城-国分間に至っては輸送密度が 728人/キロ/日しかなく、路線維持も困難でしょう。

恐らく、この区間が整備される前に"宗太郎区間"が路線廃止されている筈で、旭化成向け貨物列車を維持するためだけに残さなければならないと言う羽目になり兼ねません。

このため、宮崎以南は並行在来線問題が原因で整備が凍結される可能性が高いと言えます。


並行在来線はどうなる?

仮に宮崎までを整備されるものとして、並行在来線として扱われる区間はどの辺りでしょうか。

対象は間違いなく日豊本線になりますが、

  • 中津-大分-佐伯間
  • 延岡-宮崎間

が第三セクタへの移管になると思います。

  • 延岡-宮崎間の第三セクタへは旭化成も出資する事になるでしょう。

"宗太郎区間"はフル規格なら路線廃止に!

そして、いわゆる"宗太郎区間"・佐伯-延岡間はミニ新幹線で整備しない限り経営分離どころか路線廃止は確実でしょう。

この区間の特急列車が消えると、残るは

  • 一日一往復半の普通列車と
  • 一日最大二往復の貨物列車

のみとなり、とてもそれらのためだけに鉄路を残せる訳がありません。

この区間は国道10号が並行しているので、バス転換で充分でしょう。

架線だけ取り払って第三セクタ運営の DMV 輸送に転換する手もありますが、単純なバス転換の方が安上がりでしょう。


宮崎県への貨物列車は鹿児島経由で?

しかし、本数が少ないとは言え貨物列車が走っているのも事実です。

幸い、日豊本線は鹿児島本線と繋がっておりますので、

  • 旭化成向け貨物列車は鹿児島経由で運転し、
  • 延岡, 佐土原(宮崎)へのコンテナは都城発着同様鹿児島ターミナルからトラック輸送する

形にすれば何とかなります。

  • 或いは佐土原(宮崎)の貨物駅機能を復活させて延岡へだけトラック輸送にする事も考えられます。
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堀北真希うさぎ 紀子ちゃん(神崎紀子) 版権イラスト