デュアルモード・ヴィークルは今後も増えるか?

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令和 3年12月25日午後、世界初の道路・線路兼用車輌「デュアルモード・ヴィークル」(DMV)が阿佐海岸鉄道で運行を開始しました。

それでは、今後 DMV 採用路線は増えるのでしょうか?


DMV 運用に課せられる幾つものハードル

デュアルモード・ヴィークル(DMV)の運用には幾つかの制約があります:

  • DMV 以外の車輌は走らせてはいけない
  • DMV は単行編成に限る

つまり、DMV は大量輸送には全く向いていないと言う事になります。

阿佐海岸鉄道で採用された DMV は乗客定員が 23名(立席 4名)しかなく、従ってその程度の輸送密度しかない線区に限られると言う事になります。


阿佐海岸鉄道は DMV に向いていた

阿佐海岸鉄道阿佐東線は輸送密度は 153人(平成29年)しかありません。

また、定期乗車券所持者の輸送人数も 4千人程度(平成29年)なので、おそらく一日に多くても十数人くらいしか定期券利用者はいないでしょう。

以上を考えると、確かに DMV は阿佐東線の置換えには有用でした。


その他の DMV が向いていそうな路線

個人的には廃止された岩泉線三江線辺りには適切だったと思います。

また、JR 山田線も上米内-宮古間には適切でしょう。

DMV を開発していた北海道旅客鉄道の場合、根室本線・富良野-新得間が適していたでしょう。

具体的には、富良野-東鹿越間は鉄道モード、不通になっている東鹿越-新得間はバスモードで運転するのです。

もっとも、そこまでして鉄路を残す意味があるかは疑問です。

また、肥薩線の人吉-吉松間もこの区間だけの運行であっても最適な区間です。

ただ、現在の縛りでは DMV を走らせると『いさぶろう』『しんぺい』などが走らせられなくなります。


今後も DMV 活用路線を増やすには?


ローカル線新設の際には有用かも?

あり得ない話ですが、ローカル線を今後新設する際には DMV は有効かもしれません。

整備予定線区のうち、

  • 鉄路が敷設出来た区間のみ取敢えず鉄道モードで走行し、
  • それ以外の未整備区間はバスモードで運用する

事で、初めから予定区間全区間での運用が可能になります。

全通した際に DMV では輸送力が足りないと判断されれば(本来鉄道はそう言う区間に整備されるべきものだが)普通の気動車等に置換え、そうでなければ全通後も DMV を使い続ければ良い訳です。

そもそもそんなところに鉄道を整備する事自体あり得ない話ですが。


制約の緩和があればもっと普及するかも

冒頭で述べた制約が緩和され、特に DMV と通常の気動車の併用が可能になれば、

  • 通学時間帯は通常の気動車
  • 旅客が少ない日中は DMV

或いは

  • 輸送密度の高い区間の折返し列車には通常の気動車
  • 輸送密度が低い区間に乗り入れる列車は DMV

と言う使い分けも可能になります。

更にスクールバスを DMV にする事でより広範囲に生徒の輸送を可能に出来るでしょう。

  • この場合、運行する学校を第二種鉄道事業者とするか、それとも既存鉄道会社への委託と言う形にするかでしょう。

結論

DMV は、現在の制約では導入路線を増やすことは難しいですが、阿佐海岸鉄道での実績などに依り制約が緩和されれば今後も導入される線区が出る可能性が高まります。

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堀北真希うさぎ 紀子ちゃん(神崎紀子) 版権イラスト