長崎新幹線未着工区間の並行在来線問題を考える

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  • 追記(令和 3年 4月26日) 肥前山口駅が「江北駅」に改称される事が決定した事から一部記述を変更しました。

未だに着工に入れずにいる長崎新幹線(九州新幹線西九州ルート)の並行在来線問題について、ふと思った事を書きます。


未だ着工に入れない新鳥栖-武雄温泉間

長崎新幹線(九州新幹線西九州ルート)は新鳥栖-長崎間が整備区間となります。

ですが、令和 4年秋に現在事業中の武雄温泉-長崎間が暫定開業するものの、新鳥栖-武雄温泉間は着工に入る事すら出来ていません。

これは、佐賀県がフル規格での事業に否定的である事に因ります。

佐賀県にとって、フル規格にする必要は殆どありません。

  • このため、長崎県が佐賀県が払うべき着工費用の一部を肩代わりすると言う声まで出ているとか出ていないとか…。

また、並行在来線の経営分離問題があるのも佐賀県が着工に消極的な理由です。


経営分離されそうな区間は?


最有力候補は江北(肥前山口)-武雄温泉間

長崎新幹線の新鳥栖-武雄温泉間をフル規格で整備したとしたら、経営分離区間の最有力候補は佐世保線・江北(現・肥前山口)-武雄温泉間となるでしょう。

長崎本線・(新)鳥栖-江北間は博多都市圏に含まれるため普通列車のサーヴィス維持は必要になりますし、経営分離は考え難いでしょう。

また、長崎本線・肥前鹿島-諫早間は新幹線とは全く異なる経路であった事から沿線の猛反対に依り経営分離の事実上取下げに成功しました。

ですが、江北-武雄温泉間は完全に新幹線に並行しており、従って幾らゴネても経営分離を取下げさせる事は難しいでしょう。

ただ、この区間には新幹線で代替されない特急『みどり』『ハウステンボス』も走っています。

このため、同区間を経営分離しない可能性も低確率でしょうが残ります。


経営分離される可能性が高い理由

先ず一般論として、新幹線の方が客単価が高くなります。

このため、在来特急を極力新幹線にシフトさせる事で収益を極大化させようと言う発想に至る可能性が高くなります。

この場合、佐世保やハウステンボスに向かう方も新幹線『かもめ』を武雄温泉まで利用してもらい、武雄温泉で『みどり』『ハウステンボス』に乗継いでもらう形になります。

そうした場合、江北-武雄温泉間には完全に特急が走らなくなります。

結果、同区間は経営分離されると言う訳です。


経営分離の可能性が高い台所事情

実際問題として、九州旅客鉄道の台所事情を考えるとこの政策を採る可能性は非常に高いと思われます。

先ず、長崎新幹線は施設貸付料を収めなければなりません。このため、収益を極大化する必要が出て来ます。

また、完全民営化を果たした九州旅客鉄道は様々な副業で多角化を図っていますが、本業の鉄道部門の収益率の低さがしばしば問題視されています。

このため、収益を極大化させるためにも、可能な限り新幹線にシフトさせようとするでしょう。


経営分離しない選択肢も?

一方で、長崎本線・江北(現・肥前山口)-武雄温泉間を経営分離しない選択肢も僅かとは言えあります。


経営分離で『みどり』『ハウステンボス』のサーヴィス低下が

長崎新幹線全通後『みどり』『ハウステンボス』は武雄温泉発着にする事で、これらの利用者にも新幹線を半強制的に利用させる事が出来ます。

しかしそうすると、博多, 佐賀等からの利用者はこれまで乗継がなかったのが武雄温泉で乗継を強いられる事となります。

これは明らかなサーヴィス低下となります。

このため、長崎新幹線全通後も『みどり』『ハウステンボス』を引続き博多発で残す事も考えられます。

そうすると、江北-武雄温泉間には依然特急が走る事となります。

新幹線全通時には『かもめリレー』は廃止されるものの依然特急がほぼ毎時一本は走るのですから、経営分離は考えられなくなります。



経営分離で生じるもう一つの問題

また、江北-武雄温泉間を経営分離した場合、武雄温泉-佐世保間が九州旅客鉄道の電化線として孤立する事となります。

検査などで同区間を離れる際、気動車なら大村線と上下分離された長崎本線を経由する手がありますが、電車の場合は経営分離区間を通らなければなりません。

まぁ、重要部検査は四年に一回なので大したコストにはならないと判断出来るかもしれませんが。



フリーゲージトレイン失敗の影響は?

尚、『みどり』『ハウステンボス』については長崎県に依りフリーゲージトレインの導入が検討されましたが、採算性を考慮して断念されています。

フリーゲージトレイン自体は既に"黒歴史化"されており、今後長崎新幹線への投入は考えられなくなりました。

このため、フリーゲージトレイン導入を考慮して経営分離区間を指定する選択肢はなくなり、結果経営分離しない可能性は僅かながら上がったと思われます。


結論

長崎新幹線の新鳥栖-武雄温泉を着工する際、その条件として九州旅客鉄道は佐世保線・江北(現・肥前山口)-武雄温泉間を経営分離すると考えられます。

ただ、『みどり』『ハウステンボス』利用者のサーヴィスを低下させないため、あるいはこれらの電車の運営上の理由から経営分離を申し出ない可能性は僅かとは言えあります。


余談:『有明』は長崎新幹線暫定開通で復活する?

令和 3年ダイヤ改正では、片道一便のみ残っていた特急『有明』が廃止されました。

一方、令和 4年秋に予定されている長崎新幹線暫定開通時には博多-肥前鹿島間に電車特急が新設される予定です。

もしかしたらですが、この新列車に『有明』の名が附与されるかも知れません。

肥前鹿島は有明海に面しているため、この名前はうってつけでしょう。

ただ、新鳥栖-武雄温泉間が全通した際に、上述のようにこの特急も再度廃止される可能性があります。

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堀北真希うさぎ 紀子ちゃん(神崎紀子) 版権イラスト