『ムーンライトながら』廃止で青春18きっぷもお終いだと?

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今回もトゥィッターで呟いた事に加筆します。


『ムーンライトながら』はやはり廃止なのか…?

令和 2年 7月 1日、同年度夏季青春18きっぷの前売りが始まりました。

実際に購入された方も多いようですが、トゥィッターを見ていたらこのような話がありました。

青春18きっぷを買うと何枚かの注意書きが添付されますが、最後の一枚には『ムーンライトながら』利用時の注意事項が書かれておりました。

ところが、令和 2年度夏季版にはこれらの文言が全く書かれていなかったのだそうです。

  • 令和 2年夏季は新型肺炎のため『ムーンライトながら』運休が決定していたから一時的に伏せただけなのか、
  • それとも廃止が決まっていたから削除したのか

定かではありませんが、同列車廃止説に拍車が掛かったのは間違いありません。


「『ムーンライトながら』廃止で青春18きっぷも廃止」説

トゥィッターを見ていると「『ムーンライトながら』が廃止されたら青春18きっぷも廃止されてしまうのでは」と言う声があちこちで聞かれました。

ですが、『ムーンライトながら』は青春18きっぷと併用される事が多い列車と言うだけで、青春18きっぷとはそもそも無関係の列車です。

また、青春18きっぷが廃止されるとしたら、それには相当な赤字があっての事と考えられます。

でも、夜行列車が運転されない限り、青春18きっぷはどうやっても赤字にはなりません

つまり、廃止される理由がそもそもない事になります。


夜行列車がなくても青春18きっぷは使える

確かに、夜行列車は青春18きっぷでの行動範囲を大幅に拡げました。

でも、実際には青春18きっぷは夜行列車がなければ使い物にならないと言う訳ではありません。

否、青春18きっぷ利用者の大半は、夜行列車無しで同きっぷを使いこなしております。


推算(1):『ムーンライトながら』利用者は全体のどれだけか

実際に、一年で売られる青春18きっぷのうちどの程度が『ムーンライトながら』に使われているのかを推算しました。


平成31年/令和元年度は18きっぷ 9,300枚分の座席数

一番近い昨年、平成31年/令和元年度で考えてみましょう。

同年度は春季 9往復、夏季 17往復、冬季 12往復の計 38往復が運転されました。

『ムーンライトながら』に充当されている 185系十輌編成は 612席ですから、平成31年/令和元年の『ムーンライトながら』供給座席数は 46,512席となります。

つまり、青春18きっぷ 約 9,300枚分となります。


18きっぷ全体からしたら 2%にも満たない

一方、青春18きっぷの売上枚数についてはどう見ても 50万枚は売れている筈ですので、50万枚売れているとしたら 1.86%。

青春18きっぷがもっと売れていたらこの比率は更に下がりますので、明らかに全体の 2%にも満たない事になります。

つまり『ムーンライトながら』利用者は青春18きっぷ利用者の中では少数派に過ぎず、この分がなくなったとしても青春18きっぷの存廃に関わるような影響はないのです。


推算(2):定期便時代はどうだったか?

参考までに『ムーンライトながら』が定期列車だった頃はどうだったかも推算してみました。

  • ちょっと仮定だらけになっていますが、あくまでもご参考に。

一年に18きっぷ 3万枚が『ながら』に?

当時『ムーンライトながら』は東海 373系三編成九輌を一編成(537人)としていました。

やはり全席指定でしたが、下りは小田原から一部自由席になり、閑散期ですら18きっぷシーズンには最低 120人くらいの利用者が自由席を狙っていました

そうすると下りは一日約 660人、上りは熱海まで全席指定だったので定員通りと考えられます。

つまり、定期列車時代の『ムーンライトながら』は一日に 1,200人程輸送していたと推定されます。

青春18きっぷの年間の利用可能日数は 124日なので、一年に 15万人程の"18きっぱ"を輸送していた訳です。

枚数で言えば、一年に約 3万枚が『ムーンライトながら』に使われていた事になります。


全体の 6%が『ムーンライトながら』を使っていた事になるが…

一方、定期列車廃止前年の平成20年の全国売上枚数についてはデータが見当たりませんが、

  • 平成21年の全国売上が 74万枚
  • 平成20年と21年の東日本での売上がそれぞれ 32.9万枚と 28.1万枚

だった事を考慮すると平成20年度もどう見ても 50万枚は売れていたと推察出来ます。

そうすると、青春18きっぷ全体の約 6%が『ムーンライトながら』に使われていたと考えられる訳です。


昔はもっと多かったとは言え、6%では余り高い比重にも見えません。

少なくとも「青春18きっぷには夜行列車が不可欠だ」と言う主張は否定せざるを得ないでしょう。

  • 実際には"臨時大垣夜行"もありましたが、こちらは全席自由席のためデータを得る事は不可能です。

以下余談

平成21年は夜行列車の相次ぐ廃止で大幅減に?

ところで、東日本旅客鉄道の平成20年度及び21年度の売上枚数を見たら 4.8万枚(15%)減少しております。

平成21年には『ムーンライトながら』同様『ムーンライトえちご』も定期列車として廃止されました。

加えて『ムーンライト九州』『ムーン・ライト高知/松山』も前年度冬季限りで運転終了しました。

これらの夜行列車一斉廃止が原因かは分かりませんが、かなり影響があったようです。


『北海道&東日本パス』発売の影響は軽微だった?

一方、『北海道&東日本パス』が発売された平成14年冬季から15年ですが、平成14年度の東日本での青春18きっぷの売上枚数に較べ、15年度は約 4千枚(1.5%)の減少がありました。

『ミッドナイト』廃止で北海道を目指す青春18きっぷ利用者の大半が『北海道&東日本パス』に流れた筈ですが、その数は余り多くはなかったようですね。


結論

『ムーンライトながら』は確かに青春18きっぷ利用に便利な列車です。

しかしだからと言って『ムーンライトながら』がないと青春18きっぷも使えなくなって存廃に関わる…なんて事はあり得ません。

確かに『ムーンライトながら』には存続してもらいたいものですが、青春18きっぷの存続と言う意味では『ムーンライトながら』存廃問題は取るに足らないものです。


参考文献

フィーチャフォンではご覧になれません。

青春18きっぷの販売枚数は?
本文での数値はこちらのデータを参考にしました。
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堀北真希うさぎ 紀子ちゃん(神崎紀子) 版権イラスト