並行在来線を捨てさせてまで整備新幹線を作るべきなのか?

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今回もトゥィッターでつぶやいた事を書きます。



台風で北陸新幹線が機能不全に!

令和元年台風19号は観測史上最強の台風として話題になりました。

幸い、関東地方での被害は予想を遙かに下廻るレヴェルで済みましたが、長野県では甚大な被害が発生しました。

千曲川が氾濫し、信越地方では多大な水害が発生しました。

北陸新幹線も、長野-糸魚川間で甚大な被害が発生し、令和元年10月14日現在復旧の目処が立っておりません。

結果、令和元年10月14日現在では東日本側は東京-長野間の『あさま』のみ、西日本側も富山-金沢間の『つるぎ』と糸魚川-金沢間の臨時『はくたか』のみが運転されております。

復旧にはまだ時間が掛かるとの事で、北陸新幹線を運営する得に西日本旅客鉄道には相当なダメージになったのではないかと思われます。


並行在来線を経営分離していなければ…

このような状況で悔やまれるのは、北陸新幹線の建設のために並行在来線の経営分離を容認した事です。

もし並行在来線を何らかの形で経営維持していれば、今回の場合北陸本線・糸魚川から北陸本線-信越本線を経て長岡で上越新幹線に接続出来、北陸新幹線の代替経路が確立出来た筈です。

ですが、東日本・西日本ともども並行在来線を既に手放しており、このような代替輸送は困難になっております。

  • 【更新(令和元年10月17日)】その後北陸新幹線の上越妙高-糸魚川間も復旧し、『しらゆき』を利用した迂回ルートも認められました。

    ですが、えちごトキめき鉄道線内については別途運賃を払わなければならず(それでも米原廻りより速くて安いですが)、余計な手間がかかります。

    また、東日本旅客鉄道は何故かこのルートが最も収益が得られる筈なのにこのルートを紹介しようとしません。


経営分離の考えは旧い?

並行在来線を経営分離してでも整備新幹線を建設させると言う発想は、平成 2年の政府・与党申合せで決まった事です。

当時は赤字ローカル線の救済に上下分離を採用すると言う手法はまだ考えられておらず、整備新幹線では並行在来線を完全に分離するのが当然と思われておりました。


長崎新幹線で初めて浮上した上下分離での JR 経営維持案

それでも、整備新幹線に於いて上下分離を用いた JR 経営維持の手法は長崎新幹線で初めて考案されました。

  • 東北新幹線でも青森県の並行在来線は上下分離されましたが、これはあくまでも経営分離のための手法であり、JR に依る経営維持のための方法ではありません。

結構誤解がありますが、長崎新幹線の場合当初のスキームは

  1. 長崎本線・肥前山口-諫早間のインフラストラクチャを佐賀・長崎両県に譲渡し、
    • 肥前山口-肥前鹿島間については引続き九州旅客鉄道が第二種鉄道事業者として運営を行い、
    • 肥前鹿島-諫早間については新設する第三セクタ鉄道がやはり第二種鉄道事業者として運営を行う

と言うものでした。

沿線自治体からの強硬な反対に因り、最終的には長崎新幹線開業から三十年間は上下分離で九州旅客鉄道が全線を第二種鉄道事業者として運営を継続すると言う事になりました。


上下分離でも経営維持は不可能だろうか?

ですが、このような方法はこれまで経営分離されてきた線区にも有効だったのではないのでしょうか。

赤字必至と言われてきた並行在来線にありながら、経営努力で黒字化を達成した線区も実在します。

勿論、肥薩おれんじ鉄道のように救いようがない線区は確かにありますが、しなの鉄道やアイジーアールいわて銀河鉄道など単年でも黒字化を達成した線区も確かに存在します。

自治体のサポート次第では、並行在来線を併営する事は実は不可能な事ではないのかも知れません。


思うこと

こう考えると、並行在来線を完全に手放させてまで整備新幹線を作るのは問題が多過ぎると思います。


いわゆる"青春18乞食"ですら問題にしなかった?

正直、並行在来線の経営分離に対してはいわゆる"青春18乞食"以外は余り真剣に考えていなかったのではないかと思います。

並行在来線が経営分離されれば、その線区は青春18きっぷでは乗れなくなるのですから。

…と言いたいところでしたが、実は"青春18乞食"すらこの問題に対して真面目に考えていた者は殆どいませんでした。

取り分け、いわゆる"青春18乞食"の代弁者のような存在だった自称旅行会社社長は余りにも無責任でした。

平成 9年の北陸新幹線暫定開業以来、経営分離された区間で青春18きっぷが使えなくなる事が明らかであったにも拘らず、北海道新幹線開業を前にして慌てて"新海峡同盟"などと泥縄的に騒いだくらいでした。


経営分離後の問題が知られるようになって…

しかし、平成 9年に初の整備新幹線となった長野新幹線(北陸新幹線)が開業以来、並行在来線の地元での経営には多大な負荷になる事が明らかになるにつれ、並行在来線の経営分離に反対する動きも活発化してきました。


並行在来線経営分離が伴う問題

並行在来線の経営分離には"青春18乞食"の事を考えないにしても、以下の問題が残ります:

  • 並行在来線の運営に地元自治体が多大な負荷を負う
  • 運賃値上げなどに因り、普段新幹線を利用しない地元利用者まで多大な負担を強いられる
  • 貨物運賃の維持が困難になり、そのしわ寄せがやはり沿線自治体やそれ以外の全国民に及ぶ
  • 新幹線が不通になった際の迂回路としての機能を失う

やはり、上下分離でも何でも良いから、旅客鉄道会社に経営を維持させるのが良いのではないでしょうか。

そして、並行在来線を捨ててでも新幹線をと言う政治屋には、並行在来線のお金では評価出来ない価値をもう少し考えて欲しいものです。

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