JR に出せる『青春18きっぷ』が民鉄では出せないワケ

  • トゥィッターで言及(トゥィート)
  • はてなブックマークに登録
  • フェイスブックで共有
  • タンブラーで共有

JR 各社は国鉄時代から『青春18きっぷ』を出しておりますが、民鉄ではそのような企画商品は余り聞く事はありません。

かつては名古屋鉄道, 近畿日本鉄道と南海電気鉄道の三社が共同で『3・3・SUNフリーきっぷ』を発売しておりましたが、結局廃止になってしまいました。

何故、民鉄では『青春18きっぷ』のような商品が企画されないのでしょうか。



国鉄/JR と民鉄のビジネスモデルの違い

理由を一言で言えばビジネスモデルの違い、これに尽きます。


普通列車に依存しない国鉄/JR

国鉄は、基本的に都市間輸送を中心としており、このため長大な路線網を持っておりました。

これらの路線網を維持するには、相応な収入が必要です。

このため、都市間輸送列車としてかつての急行列車や今日の特別急行列車が多数運転されるようになりました。

また、国鉄はその性質上最低限の副業しか許されておらず、基本的に鉄道収入だけでやっていかなければなりませんでした。

このため、益々高収益な急行・特急に依存せざるを得なくなったのです。


JR となった今でも、東京近郊などを除いて依然特別急行に依存するビジネスモデルが続いております。

否、昨今では北海道など特急列車に依存しても黒字を確保出来ない例が生じており、このため東海を除く各社が鉄道とは一見無関係な副業まで始めております。


一方、普通列車は都市部の電車区間を除いてそれ程利用される事はなく、主力商品とはなり得なかったのです。

結局、普通列車に依存しないビジネスモデル、もっと言えば都市部の電車区間以外の普通列車はおまけだからこそ、普通列車限定の『青春18きっぷ』を出す事が出来たのです。


普通列車がメインの民鉄

一方民鉄はその大半が規模が小さく、都市内輸送が中心となっております。

従って、余計な料金を取る優等列車の設定が難しくなっておりました。

否、そのような有料特急列車を運転している企業でも、やはり主役は地域を走る普通列車である事は変わりありません。

更に民鉄は私企業ですのでグループ会社に依る副業に制限はなく、様々な副業で鉄道を支えております。

  • 第三セクタのアイジーアールいわて銀河鉄道も、様々な副業を初めて何とか全社で黒字化を図っております。

このように、普通列車をメインとしている以上普通列車の過度な安売りは困難なのでしょう。


例外的に国鉄型のビジネスモデルを持つ近鉄

ただ、民鉄のビジネスモデルにも例外はあります。

特に近畿日本鉄道は国鉄に非常に近いビジネスモデルを持つ民鉄です。


国鉄と良く似た近鉄の台所事情

と言うのも、近鉄は名古屋と大阪を結ぶ都市間鉄道だからです。

そして、大幹線である近鉄大阪線は比較的人口が希薄な地域を走り、当然その辺りでは都市内輸送の需要は零細になります。

このため、路線の維持には高収益な都市間列車が欠かせず、国鉄のように有料特急に強く依存するビジネスモデルを構築していきました。

このため、名古屋・大阪両近郊はともかくその他の地域では普通列車はある程度の安売りができる訳です。


近鉄だけが得をした『3・3・SUNフリーきっぷ』?

『3・3・SUNフリーきっぷ』の場合、

  • 近鉄は閑散線区の普通列車の有効利用と新たな特急料金収入が期待出来る一方、
  • 名鉄や南海はせいぜい指定席料金しか取れず、その一方で主力である普通列車の過度な安売りに繋がってしまう、

…これが廃止の一因でしょう。

つまり、近鉄だけが得をして、名鉄と南海には余り有り難くない商品だったのでしょう。

  • 実際、近鉄では今も週末に有効な全線乗り放題きっぷを出しております。

    『青春18きっぷ』と違い別払で特急に乗れるのは、特急料金増収を期待しているからでしょう。

    この辺りからも、普通列車はおまけとなる近鉄の国鉄型ビジネスモデルが垣間見られます。


他の"三大民鉄"はやはり民鉄型のビジネスモデル


名古屋鉄道の場合

名古屋鉄道の場合は、人口集中地帯である東海道・中仙道に並行しており規模が大きいもののやはり都市内輸送が中心になっているのでしょう。

ただ、ローカル線については利用は少ないわ特別車特急も走らせられないわで名古屋本線の足を引っ張ってしまったのでしょう。

これが、平成に入って名鉄のローカル線が片っ端から廃止された理由です。


東武鉄道の場合

東武鉄道もかつては「ミニ国鉄」と(悪い意味で)言われておりました。

でも東武鉄道のビジネスモデルはやはりどちらかと言えば民鉄型でした。

本線では旧くから有料特急を(昔は有料の急行や快速急行も)運転してきておりましたが、それがメインとはなり得ませんでした。

日光は国鉄と競争が激しく、鬼怒川は独占しているもののいずれもビジネス需要は旺盛ではありません。

結局、特急を運転していても都市内輸送を中心とせざるを得なかったのです。

更に東上本線に至ってはつい最近まで有料列車が走っておらず、完全に民鉄型のビジネスモデルです。

  • 実は東武鉄道の場合、有料特急を殆運転していない東上本線の方が高収益なのだそうです。
関連記事
スポンサーサイト

堀北真希うさぎ 紀子ちゃん(神崎紀子) 版権イラスト