DMV 普及を阻むお役所の余りにも非現実的過ぎる"縛り"

  • トゥィッターで言及(トゥィート)
  • はてなブックマークに登録
  • フェイスブックで共有
  • タンブラーで共有

今回はトゥィッターではつぶやかなかった事です。

阿佐海岸鉄道が導入を目指しているデュアルモード・ヴィークル(DMV)についてです。


阿佐海岸鉄道に続く DMV 導入はない!?

阿佐海岸鉄道は平成32年までに DMV を導入する事を発表しております。

既に車輌の発注は終えているらしく、着々と準備が進められているようです。

では、阿佐海岸鉄道に続く鉄道会社はあるのでしょうか?

確かに話題になれば他社が飛び付く可能性はあると思ってしまうものです。

ですが、制作者の予想では今のままでは二番手は永遠に現れないと思います。


余りに非現実的な国土交通省の"縛り"

と言うのも、国土交通省が定めた DMV 運用の条件が余りにも非現実的過ぎるからです。

具体的には、以下のような制限が与えられております:

  • DMV を運用する鉄道線は DMV 専用線とし、一般の気動車等の乗入れはしてはならない
  • DMV は必ず単行編成で運用し、複数輌を連結して運用してはいけない

これでは、阿佐海岸鉄道以外に導入を検討するところが現れる訳がありません。

  • ちなみに、日高本線でも沿線自治体に依る導入検討が報じられましたが、この制約を知らずに発言していたしか思えません(後述)。

DMV 導入で本来の需要に応えられなくなる!?


わたらせ渓谷鐵道の場合

DMV の実験が報じられて以来、多くの弱小鉄道が DMV に関心を持ちました。

群馬県と栃木県を結ぶわたらせ渓谷鐵道も、その中の一社でした。

わたらせ渓谷鐵道の場合、間藤から道路走行モードに切替えて日光への直通を実現する構想があったようです。

一部でわ鐵を日光まで延伸させるべきと言う主張もありましたが、それは既に転換交付金を使い果たしたわ鐵には不可能な事です。

でも、DMV なら沿線自治体や国から何らかの補助が受けられるかも知れません。


わ鐵の輸送需要に対応出来ない DMV

ですが、国交省が定めた制約の元ではわたらせ渓谷鐵道に DMV を走らせる事は不可能です。

確かに、間藤-日光間は定員三十人未満でも充分かも知れません。

でも桐生-間藤間の鉄道区間では、気動車二輌編成(定員百六十人)で運転する事もあります。

それだけの需要がある線区で DMV 以外を走らせられないとなると、逆に鉄道としての本分を放棄する事になり兼ねません。

勿論、通学時間帯などに限り DMV の運用を中止してその時間帯だけ気動車を…と言う柔軟な運用が出来ればこの問題は解決するでしょう。

ですが、そのような運用は現在の"縛り"では認められておりません。

従って、わたらせ渓谷鐵道は現状のままでは本来の鉄道への需要を捨てない限り DMV を導入する事は出来ない…と言う事になります。


日高本線の場合

上述の通り、既に鵡川以南の廃止が確定している北海道旅客鉄道日高本線でも沿線自治体が DMV 導入を検討していると報じられております。

ですが、実際に導入する事は日高本線の状況からは不可能に違いありません


やはり DMV では運び切れない場合が…

日高本線で鉄路が残っている苫小牧-鵡川間の平成26年度の輸送密度は 589人/キロ/日です。

単純計算で片道の輸送量はこの半分と見なせるでしょうから、片道では一日に 約 295人/キロ/日の利用があると考えられます。

この区間は平成30年改正ダイヤで一日八往復の運転があります。つまり、列車一本当りの平均は 約37人/キロ/日と言う事になります。

勿論、列車ごとに利用には偏りがあり、また全ての区間に亘って乗車する方ばかりではない筈です。

だからこそ、一列車に四十人以上の旅客が乗る区間もあり得ます。

一方、DMV の輸送力はどんなに頑張っても三十人にも満たず、これらの需要を満たす事が出来なくなってしまいます。

勿論、通学時間帯などには通常のキハ40系を…と言うのは今の制約の元では許されず、従って日高本線への DMV 導入は不可能と言う事になります。

沿線自治体は、国土交通省が定めた制約がこのような問題を孕む事を理解して導入云々をブチ上げたのでしょうか?

  • 実際、DMV 導入が検討されたと報道されてから、続報は全く入っておりません。

阿佐海岸鉄道だけが守れる"縛り"?

阿佐海岸鉄道の場合、阿佐東線が従来の人の流れを無視した配線のため、日頃の鉄道需要も非常に零細なのでしょう。

だからこそ、DMV の代わりに気動車を捨てろと言う縛りも殆ど問題にはならなかったのだと思われます。

否、国交省の縛りは日本の殆ど全ての鉄道路線で守れるような代物ではなく、それこそ唯一阿佐海岸鉄道だけが守れるのではないかと思える代物です。

ひょっとしたら、国土交通省は DMV を普及させたくないのでは?と思えるくらいです。

  • 平成15年に廃止された有田鉄道線や平成18年に廃止された神岡鉄道神岡線が現存していたら、阿佐海岸鉄道阿佐東線とともに DMV 導入が可能な路線になっていた筈です。

    でも有田鉄道線は廃止前から全線にバスを並行させていたので、DMV 導入よりも完全バス転換の方がやはり合理的だったでしょう。

    また、神岡鉄道についても、廃止後代替バスが設定されなくても殆ど困る方がいなかった事から、やはり意味はなかったでしょう。


関連記事
スポンサーサイト

堀北真希うさぎ 紀子ちゃん(神崎紀子) 版権イラスト