ヴァージン・アトランティック航空の成田線休止後の全日空の運命

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      本記事は、平成26年12月 5日に書かれたものです。

      従って、閲覧時点での状況に即していない部分も多々ございます。

英国のヴァージン・アトランティック航空が平成27年 1月限りで日本路線を休止する事になり、提携している全日本空輸にも影響が及びそうです。

そう、あの理不尽な"成田就航縛り"のせいでね!


理不尽な"成田就航縛り"

"成田就航縛り"とは、東京国際空港(羽田空港)に国際線を就航させたければ、同数以上の同一発着地への成田国際空港発着便を就航させなければならないと言う、まさに法治国家の行政とは思えない法的根拠がない圧力です。

国土交通省は就航許可を出せる立場なので、就航不許可をチラつかせる事でこれに従わせてきました。


"成田就航縛り"に振り廻されたヴァージン・アトランティック航空

英国のヴァージン・アトランティック航空は、羽田就航を強く望んでおりましたが、成田就航縛りのため、断念せざるを得なくなりました。(※ 1)

結局、ヴァージン航空は平成27年 1月一杯を以って成田-ロンドン線を廃止する事としました。

デルタ航空との提携深化に伴い、英米線を拡充した結果、成田への優先度が下がり、結果成田路線に必要な発着権も大西洋線に投じる事としたようです(※ 2)。


全日本空輸はどうなる!?

さて、これで問題になるのが全日本空輸です。


全日本空輸の弱点・ロンドン

全日空はルフトハンザ・ドイツ航空との提携を強化しており、そのためドイツ路線は強化を続けているのですが、英国路線についてはヒースロー空港の発着権がないため、羽田に就航するには代わりに成田-ロンドン線を運航している会社とコードシェア提携を締結しなければなりませんでした。

ブリティッシュ航空はワンワールドの関係で日本航空と提携しており、従って全日空が採れる選択肢は予てから提携関係を持っているヴァージン航空との提携しかなかったのです。

ところが、平成27年 2月以降は全日空は成田-ロンドン線を持たなくなり、結果"成田就航縛り"を満たせなくなります。


遂に発動した、英国からの"怒りの圧力"

ちょうどヴァージン航空が日本撤退を発表した頃、遂に英国政府が日本政府に「成田就航縛りをやめろ!」と外圧をかけている事が日本でも報じられました。

全日空のロンドン就航許可取消までチラつかせて撤廃を求めているとさえ言われております。

日本の政官界は外圧に弱いので、これを機に"成田就航縛り"を撤廃すればいいのですが、それを行えば今度は成田空港の大幅減便が生じる可能性も否定出来ません(※ 3)。

そうなったらそうなったで、成田空港を強引に作った過去を責められるのは必定で、それもどうなるか……。


考えられる?選択肢

今のところ、全日空側からは具体的な発表はありませんが、"成田就航縛り"にこだわり続けるなら、全日空はロンドン路線を維持出来なくなるかも知れません。

何のかんのと言いながら"成田就航縛り"を維持し続けるのなら、考えられる運命は以下のいずれかでしょう。


全日空はロンドン撤退に

英国がチラつかせている就航許可取消と"成田就航縛り"の双方に依り、全日空はロンドン撤退を余儀なくされると言うシナリオです。

安倍政権は民主党政権のもとで再建した日本航空を嫌っていると言う話で、そのため何とかさせようとするかも知れません。

  • 或いは、安倍ちゃんが日本航空を嫌っている事を知っているからこそ、英国政府は日本航空ではなく全日空を"人質"にしたと言う噂もあるようです。

形式的な"経由便"で成田縛りを満たす

ルフトハンザ・ドイツ航空が運航する成田-フランクフルト線とフランクフルト-ロンドン線をまとめて一本の経由便としてコードシェアする事で、形式的に成田就航を維持すると言う方法です。

しかし、これがアリなら、羽田路線のために仕方なく成田路線を維持している他社もその方法を悪用してくる事は間違いないでしょう。


全日空とブリティッシュ航空でコードシェア提携

ブリティッシュ航空が運航する成田-ロンドン線を全日空がコードシェアすると言う、現在の枠組みから見たらある意味ウルトラCと言える荒業です。

当然、この便は日航と全日空の相乗りとなります。

全日空大好きな安倍ちゃんが日航と BA に圧力を掛けて飲ませれば、可能性はあるかも知れません。

ただ、昨今では

  • カタール航空がワンワールド入りしてもしばらく全日空との提携が続いたり、
  • TAM ブラジル航空のようにワンワールドに移籍しても全日空は提携を維持どころか拡大している例

もあり、案外あり得るかも知れません(※ 4)。

果たして、一体どうなってしまうのでしょうかねえ…。


脚注

  • 1. ヴァージン航空は財務上の理由とロンドン・ヒースロー空港の発着権が足りない事から、羽田-ロンドン線と成田-ロンドン線を同時に運営する事は不可能でした。
  • 2. 英語版のプレスリリースに拠れば、「ヒースロー空港が拡張され(て発着権を獲得出来)たら東京路線に戻りたい」と書かれており、実際英国政府がヒースロー空港の拡張計画を明らかにしているので、個人的には廃止ではなく休止だと思われます。いや、そう思いたいです。
  • 3. 勿論、羽田空港にも発着権があり、それは非常に貴重なものなので大移動と言うのはないでしょうが、それでも"成田就航縛り"のため渋々赤字覚悟で成田路線を運航していた路線は、相次いで休止となる可能性は充分あるでしょう。
  • 4. 蛇足ですが、全日空はスターアライアンス加盟を決めるまでブリティッシュ航空とマイレージ提携を行っており、スターアライアンス加盟後もブリティッシュ航空と電子航空券の提携を行うなど、僅かながらも繋がりはあったようです。
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