わたらせ渓谷鐵道での東京通勤の可能性

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トゥィッターで呟いた事ですが、こちらにも書かせて頂きます。



はじめに

平成10年代後半に群馬県在住のある鉄道趣味者がネットを賑わせておりました。

彼は自らを鉄道趣味の鉄人と呼び、その頃わたらせ渓谷鐵道に関しての"意見"を地元の新聞に投書しました。

要約すると、

  • わ鐵は日光へのアクセスに使えるよう延伸すべき
  • わ鐵は東京への交通ルートとして使えない

と言うものでした。

当該投書が出されてから随分年数が経っており状況も大分違っていると思われますが、今回はわ鐵が対東京の足としてどうかと言う事について考えたいと思います。


わ鐵は東京への通勤を考慮する必要はない

結論から言いますと、わたらせ渓谷鐵道は対東京通勤を考慮する必要はありません

いや、その対策は意味がないとさえ言えるでしょう。


一見東京へは通勤可能であるが…?

件の鉄道趣味者は、わたらせ渓谷鐵道の始発を早めて東京への通勤にも活用出来るようにせよと主張されております。

ですが、平成30年 3月16日現在でも、大間々の始発列車は06時04分発です。

桐生からは両毛線と JR 宇都宮線を乗継げば、上野には 8時台後半に到着出来ます。

小山から東北新幹線を使えば、東京へは 8時台前半に着きます。

これなら、大間々から東京への通勤は充分可能と思われるでしょう。


実際にわ鐵で東京へ通勤出来るのか?

ただ、大間々駅周辺からこの乗継で通勤しようとした場合、遅くとも早朝の五時代前半には起床しないといけません。

家が駅の周りに在るならまだしも、駅から離れれば更に起床時刻を早める必要があります。

更に帰宅の事も考える必要があります。

残業皆無のホワイト企業で17時台に東京を出たとしても、新幹線利用の場合大間々到着は20時10分。

JR 宇都宮線経由に至っては大間々着は21時38分になります。

駅から家までの時間を考慮すると、家に着いてすぐ就寝しないと翌朝起きられないでしょう。


結論:わ鐵沿線は東京通勤圏ではない

結論として、わ鐵沿線からは東京への通勤は不可能ではありませんが、同じ対東京100キロ圏内の高崎, 宇都宮, 水戸などと違って東京からの通勤圏にはなり難いのです。

小山駅或いは高崎駅まで家族に送迎してもらえば何とかなるかも知れませんが、そうなると当然わ鐵はお呼びでなくなります。

結局、わたらせ渓谷鐵道自身も東京への通勤を考慮したダイヤを組む必要はありません。

  • そもそも大間々には東武桐生線・赤城駅もあり、そちらの方が利便性が高いのでわ鐵は太刀打ちは出来ないでしょう。
  • 尚、この記事では大間々からについてのみ触れておりますが、大間々より北については言うに及ばずでしょう。


仮に対策を執るとしたら…?

仮にわたらせ渓谷鐵道が対東京対策が必要だとしたら、始発を早めたり最終を繰下げる事ではないでしょう。

わ鐵がすべき事は、両毛線との接続を考慮してダイヤを調整する事です。

でも、わ鐵は両毛線より東武鉄道とのダイヤ調整を優先しているようです。

両毛線も東武線も両毛エリアを通りますが、東武の方が範囲が広いのでより有用と判断しているのでしょう。

つまり、わ鐵は対首都圏よりも両毛エリアの交通網の一部として機能するようにしていると考えられます。


現実問題:わ鐵だけでは対処出来ない

現実問題として東京への通勤環境改善が地元から求められているのであれば、わたらせ渓谷鐵道だけでなく

  • 両毛線を運営する東日本旅客鉄道高崎支社
  • 東武桐生線を運営する東武鉄道

も何らかの策を立てている筈です。

否、寧ろこの二社のうち少なくとも片方が対処しない限り、わ鐵が幾ら頑張っても意味はないのです。

ですが、現実には両社とも桐生から東京方面への通勤には余り対策を立てておりません。


東武鉄道


退化している東武鉄道のダイヤ

例えば東武鉄道の場合、伊勢崎線内・東武動物公園-太田間を速達運転する『準急A』を平成15年に廃止しており、逆に桐生からの通勤をし難いものに退化させてしまいました。

平成30年 3月16日現在、伊勢崎線は東武動物公園以北は特急『りょうもう』以外はすべて各駅停車で、急行ですら東武動物公園以北を速達運転しておりません。


特急通勤への対応が為されていない

確かに、特急『りょうもう』を使えば朝の通勤は可能でしょう。

ですが、桐生からでも通勤しようとすると毎日片道だけでも 1,000円以上の特急料金を払わなければなりません。

東武鉄道は定期券所持者向けの特急回数券とか特急料金込みの定期乗車券などを企画しておらず、運賃面でも全く対策を立てておりません。

結局、東武鉄道は両毛エリアからの対東京通勤対策を諦めているのでしょう。

  • 平成30年 3月16日現在のダイヤを見る限り、勤務先にも依りますが特急なしでは館林辺りがギリギリで東京通勤圏でしょう。

余談:伊勢崎線の足利市経由は廻り道か?

件の鉄道趣味者は伊勢崎線の足利市経由は遠廻りだと主張されております。

ですが、東武鉄道は館林と太田をより短い経路で結ぶ小泉線も運営しております。

小泉線は確かに単線ですが、それでも館林-太田間の所要時間が伊勢崎線より短い列車もあったそうです。

にも拘らず、現在小泉線は東小泉で運用が分割され、館林-太田間の直行列車の運転もありません。

結局、東武鉄道は遠廻りであろうと足利市を経由する方が有用だと判断している訳です。


東日本旅客鉄道


「新幹線でどうぞ」が本音?

一方、東日本旅客鉄道から見たら「桐生からは新幹線でどうぞ」となるでしょう。

実際、東京から桐生までは営業キロで100キロを越えており、一枚の定期乗車券にはなりません。

確かに水戸方面から二枚の定期券で通勤している例はあるようですが、常磐線には並行する新幹線が存在しないのでこうするしか無いのでしょう。

  • 実際、水戸支社は水戸方面から東京方面へ定期券所持者専用の回数特急券を企画しております。

結局、東北・上越両新幹線に挟まれた両毛線、それもほぼ中間部に在る桐生に対しては、フレックスを使って新幹線でとなるでしょう。


両毛線に快速を運転したら?

両毛線に快速列車を運転すれば良いと言う方もおられるかも知れません。

でも、両毛線は大半が線路容量が小さい単線なので、快速列車を下手に設定すると地元向けの普通列車の運転本数を減らさざるを得ないでしょう。

明らかに地元の通勤・通学利用の方が多い筈ですから、彼らを犠牲にする訳にも行きません。

それに、仮に快速を運転出来たとしても時短効果はそれ程でもないと思われます。

と言うのも、平成30年 3月16日現在 JR 宇都宮線には通勤時間帯に快速列車を運転していないからです。

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