青春18きっぷの将来をもう一度考えてみる

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  • 以下の記述は、執筆時(平成26年12月 3日)に思った事を書いたものです。

    従って、今日制作者が思っている事とは一部異なる箇所がございます。

夜行列車の相次ぐ廃止に整備新幹線開業に伴う在来線廃止と、青春18きっぷを巡る環境は大きく変わりつつあります。

青春18きっぷは今後どうなっていくでしょうか。


青春18きっぷは損なのか?

鉄道ファンでさえも青春18きっぷは廃止される(べきだ)と思っている方も少なくないようです。

ですが、商品を廃止するには、それ相応の理由がなければなりません。


企画商品が廃止される理由

最も強い理由として考えられるのは、

  • 商品そのものが赤字だった
  • 黒字でも他の主力商品から利用者が逸走して来たせいで減益になった

などでしょう。


青春18きっぷはどうなのか?

それでは、青春18きっぷを売ると旅客鉄道会社は損するのでしょうか?

恐らくノーだと思います。

先ず、学校が休みになる期間に利用者が減る在来線普通列車のみを対象としている事で、利益を出し難い各地の在来線の大きな収入源になっているとさえ考えられます。

そもそも、普通列車は公共の足として、必要経費で毎日運転するものです。

青春18きっぷがあろうとなかろうと経費は発生する訳で、青春18きっぷのせいで赤字になる事はあり得ません。

  • 但し、青春18きっぷ期間に設定される臨時夜行列車は、青春18きっぷ由来の経費を発生させます。このような列車が赤字になってしまうと、赤字を産まない筈の青春18きっぷで赤字にしてしまう事になるので、運転してはいけないとさえ言えます。

加えて、六社で全国発売する事に依り、多大なスケールメリットが享受されます。


青春18きっぷの収益


膨大な売上をもたらす青春18きっぷ

青春18きっぷは一年間に六十万枚以上売れ、このため六社で分配しても相当な金額になる筈です。

  • 実際、一回あたりの配分が百円しかなくても、六十万枚も売れれば三億円にもなります。

確実に利益が出る商品を殆ど持たない北海道旅客鉄道や四国旅客鉄道にとって、これ以上ない収入源と言えるでしょう。


新幹線や特急からの逸走を防止する"普通列車縛り"

もう一つ、旅客鉄道会社が主力商品としたいものは、新幹線や在来特急ですが、これらを一切利用出来ないようにする事で、新幹線や在来特急を利用すべき旅客が逸走して来る事を防いでおります。

  • 在来特急には一部利用出来る例外がありますが、コストを考慮して特別急行を普通列車代わりに利用させている線区とか、現実的に運賃等の徴収が困難な短い線区などに限られております。

新幹線や在来特急を利用するのが当り前の長距離利用者にとって、ちまちま短距離運転しかしない普通列車を乗継いで行くと言うのは幾ら何でも無茶でしょう。

つまり、そう言う客層が逸走する事は考え難いのです。



結論:青春18きっぷは損にはならない

以上を考慮すると、青春18きっぷを売って損になる事はないと考えられます。

つまり、青春18きっぷを廃止する理由はないと言う訳です。


青春18きっぷを取巻く環境の変化


夜行列車の相次ぐ廃止

『ムーンライト九州』『ムーン・ライト高知/松山』『ムーンライトえちご』など、青春18きっぷ利用者に有用な夜行列車が次々と廃止されております。

これらの車輌は、殆どが国鉄時代からの車輌を使っており、車輌の老朽化などが廃止の一因となっております。

  • 例外は定期列車時代の『ムーンライトながら』くらいでしょうねえ。

それなら、夜行列車用に新造すればいいと言う意見もありそうです。

ですが、既に償却済みの旧型車だからこそ利益が薄い夜行普通列車に充当出来たのであり、新造してまで運行を継続する事は特に完全民営化を果たした本州三社には先ず出来ないでしょう。

  • 下手をすれば株主代表訴訟(某自称旅行会社社長の得意技だが一度も成功していない)なんて事態になり兼ねません。
  • 東海旅客鉄道は165系を置換えるために373系を投入したので、たまたま『ムーンライトながら』も置換えられたに過ぎないと言えるでしょう。

    • 件の自称社長は「373系は『ムーンライトながら』のために作られた」などと妄言を垂れておりますが、決してそんな事はない筈です。

それでも、青春18きっぷが売れ続ける理由

ただ、夜行列車が相次いで廃止された事に依り、青春18きっぷの売上が激減したと言う話は一度も聞いた事がありません。

  • 寧ろ売上枚数は増加しているらしいです。

よく考えて見れば当り前ですが、夜行列車の供給座席数は青春18きっぷの利用回数に較べたら極めて小さいものです。

本州三社の場合、片道だと141キロ以上乗らないと元が取れませんが、往復であれば片道71キロ以上乗れば元がとれてしまいます。

大宮からだと

  • 高崎線なら高崎
  • JR 宇都宮線なら宇都宮
  • 京浜東北線(東海道線)なら大船

などと、気軽な往復移動で元が取れる計算になります。

  • ちなみに大宮からの片道利用の場合、

    • 高崎線経由上越線なら土合
    • JR 宇都宮線経由東北本線なら黒田原
    • 京浜東北線経由東海道線なら函南

    までとなります。

これらの事を考えると、青春18きっぷは100キロ台程度の中距離利用を想定して価格設定されているのではないかと思われます。

勿論、理屈からすれば、青春18きっぷでも普通列車を乗継いで行けば、数百キロもの長距離移動は可能でしょう。

  • 制作者も何度も大阪まで青春18きっぷ一枚で移動した事があります。

ただ、普通列車乗継に依る長距離移動はかなりの体力を消耗します。

着席も保証されず、下手すれば約六時間立ちっ放しで300キロ近くを移動させられる羽目にもなり兼ねません。

そう言った事を考えると、青春18きっぷの平均的な利用形態は、やはり100キロ台乃至200キロ台の中距離移動となるでしょう。

整備新幹線の影響

整備新幹線が開業すると、その引替えとして並行在来線の大半が廃止されます。

その結果、青春18きっぷでの乗車が出来なくなります

  • 例外的に九州旅客鉄道は並行在来線を廃止したがりません。西日本旅客鉄道辺りだったら、八代-(鹿)川内間だけでなく、下手すれば大都市圏から外れる荒尾以南は全部廃止していたかも知れません。

整備新幹線に於いて、青春18きっぷは考慮されない

これについては残念ながらどうしようもないでしょう。

以前にも書いたのですが、整備新幹線を巡る議論に於いて、政治レヴェルで青春18きっぷへの影響を懸念した発言はただの一度も聞いた事がありません。

  • まぁ、そんな懸念をするのなら、並行在来線の廃止を認めないでしょうけどね。

そもそも、青春18きっぷは所詮企画商品に過ぎません。

それも、通年で扱われるものでさえありません。

そんな商品の動向を懸念する政治家など、いる訳はないのでしょうねえ。


結局どうなるのだろう?

結論としては、青春18きっぷは長距離移動には益々使い難くなって行くでしょう。

それでも、スケールメリットに依る売上額の多さを理由に、廃止される事は先ずないと思われます。

普通運賃に較べて遙かに安い切符のくせにお客様気取りで権利を主張するような"18乞食"どもは絶滅に向かう事になるでしょう。

  • 某自称旅行会社社長も、もうダメでしょうねw

そして、中距離移動の手軽なきっぷとして活用され続けるでしょう。


平成27年 3月29日追記:北海道新幹線開通を機に青春18きっぷは廃止か1?

平成27年に入ってから、旅客鉄道各社は青春18きっぷの宣伝を行わなくなりました。

まさかとは思いますが、平成28年 3月に北海道新幹線が暫定開業して青函間の在来線が消滅し、北海道と本州の在来線ネットワークが分断される事を理由に廃止などと言うシナリオがあるのか?と疑っております。

個人的には、北海道だけでも或いは本州だけでも、18きっぷは使い切れる筈なので、仮令北海道-本州間の往来が不可能になったとしても廃止する必要はないと思いますが、青函越えが出来なくなる事で18乞食どもが「新幹線に只で乗せろ」などと喚き散らすなどのトラブルを恐れているのでしょうか。

実際、青春18きっぷを残したまま北海道新幹線を開業させてしまうと、不良18乞食に依る不法行為が横行する恐れがあります。

不良18乞食の暴走を阻止するために、青春18きっぷの廃止を提案する事は充分考えられます。

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