北海道旅客鉄道の存廃方針決定(平成28年11月21日)

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過日北海道旅客鉄道から、自社線の存廃方針について正式に発表がありました。

それ以前の報道内容とほぼ同様の内容でした。


輸送密度500未満廃止⇒200未満廃止に

北海道旅客鉄道は当初500人/キロ/日未満を廃止検討対象にするとしておりました。

ですが、実際にはそれよりも低い200人/キロ/日未満となっている線区のみを廃止対象としました。

既に書いている通り該当線区は五線区あり、うち留萌本線・留萌-増毛間と石勝線・新夕張-夕張間は廃止に向けて動いているので新たに三線区が加わる事となりました。


何故数字を引下げた?

ところで、当初500人/キロ/日未満と言っていたのが、何故200人/キロ/日に引下げられたのでしょう?

200以上500未満の線区には、

  • 宗谷北線(名寄-稚内)
  • 花咲線(釧路-根室)
  • 根室本線(滝川-富良野)

が含まれております。

このうち、宗谷北線と花咲線はそれぞれ北海道最北端と最東端の都市への連絡路線となっております。

また、根室本線も富良野市への路線として機能しております。

これらの線区の経営放棄は北海道の鉄道会社としてするべきではないと判断したのでしょうか。

但し、富良野へは富良野線の方が遙かに多く利用されており、根室本線・滝川-富良野間を廃止しても富良野線を残せば良い筈です。

でも、根室線の当該区間を廃止すると、それより数字が悪い宗谷北線と花咲線を残せなくなってしまい兼ねません。


並行在来線が残される理由

北海道新幹線の並行在来線に指定されている函館本線については、全線区自社努力で経営分離日まで維持すると表明しました。

とは言え、以前にも書きましたが長万部-蘭越間は相当苦しい筈です。

実際のところ、北海道旅客鉄道は長万部-小樽間の営業成績のみを公開しており、それ以上の細かな数字は明らかにしておりません。

いや、明らかに出来ないのでしょう。

恐らく、倶知安で区切っても長万部-倶知安間の数値はかなり低い値になっている可能性が高いでしょう。

況して蘭越で区切ったら、200人/キロ/日あるか否かも怪しい筈です。


有珠山リスク対策か?

やはり、有珠山噴火リスクでしょうか。

平成12年に有珠山噴火の影響で室蘭本線"海線"が不通になった際、日本貨物鉄道は第二種鉄道事業者免許を持っていない"山線"の長万部-手稲間(当時)を迂回しました。

  • 但し、"山線"の線形は非常に悪いため、通常コンテナ貨車二十輌編成で運転していたのを十輌に減車し、しかも本数自体も大幅に減らしたため輸送力は維持出来なかったとの事です。(参考文献 1)

旅客列車も札幌-道南間について"山線"経由で『北斗』代行臨時特急が運転されました。

北海道新幹線の札幌延伸までは年数もあり、その間に有珠山が再度噴火せずに済む保証はありません。


いずれにしても、新幹線延伸までの辛抱か

勿論、北海道新幹線が延伸すれば長万部-蘭越間はバス転換もあるでしょう。

青函トンネルの新幹線減速問題解決策として貨物新幹線構想もあり、これが実現すれば本当に鉄路を残さねばならない理由がなくなります。

ただ、本当に実現するかは分かりませんが…。


その他雑感

ところで、過日の発表に合わせて北海道旅客鉄道の経営努力についての発表もありました。

それについて、思った事を書いておきます。


北海道旅客鉄道他各社の副業依存率

発表に拠ると、北海道旅客鉄道グループは平成27年度の収益のうち非鉄道事業収益が 60.0%を占めるとの事です。

発表では旅客六社の数字が掲載されておりましたが、独自に日本貨物鉄道の数字も計算してみました。

東海  25.5%
貨物  28.7%
東日本 37.0%
西日本 41.4%
四国  53.3%
北海道 60.0%
九州  60.3%

副業で上場した?九州

過日上場を果たした九州旅客鉄道が一番副業に依存しているのが分かります。

事実、上場まで「九州は鉄道会社ではなく不動産会社だ」と市場関係者に揶揄されておりました。

加えて、九州旅客鉄道は営業エリアでない大阪や東京での不動産開発に積極的に進出しております。

  • 西日本も昨今では東京での不動産事業に力を入れております。

東海はやはり"新幹線専業会社"だ!?

東海はやはり"新幹線専業会社"らしく、副業依存度は非常に低くなっております。

副業にしてもバス事業以外で有名なのはジェイアール東海ツアーズとジェイアールセントラルビルくらいで、鉄道と密接に関係しているものばかりです。


意外に低い貨物鉄道の副業依存度

意外なのは貨物で、副業自体が余り多くないからか東海に次いで二番目に低い依存度となっております。

  • バスを分社した旅客鉄道と違って、トラック輸送も本業の一部となっているのも大きいでしょう。

本社も平成27年度は黒字であり、副業を更に推し進めれば上場の日は近いかも知れません。

  • 日本貨物鉄道は鉄道だけでは赤字ですが、それは九州も同じ事です。

さて、北海道は…

北海道旅客鉄道は、上場以前に食べていくために副業依存度を高めるしか無いのかも知れません。

とは言え、北海道での副業には限界があるでしょうから、いずれは内地への進出もあるでしょう。

但し、バブル末期に内地に進出して破滅した北海道拓殖銀行と同じ轍は踏まないように…。


参考文献

  • 記事は PC サイトのため携帯電話での閲覧は不可能な場合があります。
1. 3-5. 交通機関等の対応 (PDF)
内閣府サイト『防災情報ページ』内コンテンツ『有珠山噴火災害教訓情報資料集』より。
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