北海道旅客鉄道の不採算路線整理方針

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報道に拠ると、北海道旅客鉄道は整理すべき路線の選別について方針を固めたそうです。

ただ、正式なプレスリリースはないため、メディアに依り内容に揺れがあるようです。



概要

北海道旅客鉄道は、先ず輸送密度が 200人/キロ/日に満たない線区について廃止対象とするとしました。

加えて、輸送密度が 2,000人/キロ/日未満の線区の一部について、維持を前提として費用負担の相談を求めるとしております。

プレスリリースはまだ出ておらず、このためメディアに依り内容に揺れがありますが、前者の廃止対象路線についてはほぼ間違いないようです。


廃止対象路線

輸送密度が 200人/キロ/日に満たない廃止対象線区は、以下の五つです:

  • ※留萌本線・留萌-増毛間(輸送密度 67)
  • 札沼線・北海道医療大学-新十津川間(同 79)
  • ※石勝線・新夕張-夕張間(同 118)
  • 根室本線・富良野-新得間(同 152)
  • 留萌本線・深川-留萌間(同 183)

但し、※印のある二路線は既に廃止に向けて具体的な動きがあるので、実質的には三路線が追加されたと見て良いでしょう。


東鹿越-上落合(信)間は放置→廃止か

さて、過日の平成28年台風10号の影響で根室本線・東鹿越-上落合信号場-芽室間は依然不通のままとなっております。

このうち、上落合(信)-芽室間については現在復旧作業が続けられており、年内の復旧を目指しております。

一方、東鹿越-上落合信号場間は早くても復旧作業に入るのは来春になると言われております。

それどころか、落合-新得間については代行バスさえ運行されておりません。

今回の報道が正しければ、岩泉線のように放置して廃止と言うシナリオになる可能性が高いでしょう。


当然、2427D列車もお終いか

勿論、2427D列車も運転区間が分割され、日本一の運行時間の普通列車の名前さえも放棄する事となります。


存続のための協議を求める線区

正式なリリースはまだありませんが、費用負担を求めるとされる線区は以下が該当するようです:

  • 宗谷本線名寄以北
  • 釧網本線
  • 石北本線
  • 根室本線・滝川-富良野間
  • 花咲線
  • 富良野線
  • 室蘭本線・沼ノ端-岩見間
  • 日高本線

但し日高本線については現在不通となっている鵡川-様似間は廃止して、苫小牧-鵡川間について費用負担について相談すると言う報道もあります。

また、

についても協議の可能性が示唆されております。


協議せず存続させる線区

その一方で、

  • 函館本線・函館-長万部-小樽間
  • 室蘭本線・東室蘭-室蘭間

については、協議を求めず自力で存続する方向となっております。


並行在来線だから廃止論議を免れた!?

函館本線の該当区間は北海道新幹線の経営分離対象となっており、それまでの辛抱と言うのもあるのでしょう。

長万部-倶知安間に至っては貨物も通らない(第二種鉄道免許も持っていない)事から、北海道新幹線延伸時にはバス転換の可能性もあります。

  • 室蘭本線"海線"の噴火リスクに備えているのなら、函館本線"山線"にも日本貨物鉄道の第二種鉄道免許が維持されている筈です。
    • 【訂正】実際には有珠山噴火の際に特別に"山線"経由で迂回運転しました。

そんな区間が新幹線並行在来線となっている事で首がつながったと言うのは何と言うか皮肉ですかねえ…。


全体的な感想

予てから言われていた通りに近い形になったようです。

宗谷本線や石北本線は確かに輸送密度が低いですが、流石に廃止する訳には行かないと判断したのでしょう。

ただ、何と言うか北海道旅客鉄道の状況を見ると、今いち踏込みが足りないような気もします。

特に、北海道新幹線の並行在来線だから廃止対象外とするのはどうかと思います。

少なくとも、列車本数が極端に少ない長万部-蘭越間については何らかのアクションを起こした方が良かったのではないでしょうか。

そもそも、並行在来線に指定された区間を開業前に廃止してはいけないとは聞いた事はありません。

やはり、北海道新幹線札幌延伸後の収支改善予想に影響が出るのを恐れたのでしょうか。


おまけ:他社はどうだろう?

さて、北海道の話ばかりでなく、他社についても見てみましょう。


東日本:JR 山田線は一部区間が復旧するが…

東日本旅客鉄道では、JR 山田線・(山)川内-茂市間について12月中旬の復旧に向けて工事を進めております。

平成27年12月以来の不通区間が延伸した形だったため、このまま放置されて盛岡-宮古間全線廃止も危惧しておりました。

ただ、上米内-(山)川内間は依然不通となっており復旧の目処が全く立っておりません。

やはり当該区間については岩泉線のように放置されて廃止と言う展開を想像せざるを得ません。



只見線はどうなる?

後は只見線がどうなるかでしょう。

かなり無茶な提案をしているようですが、引導渡しにしか見えないのは気のせいでしょうか。


四国:北海道に較べたら意外にマシ

四国旅客鉄道は経営が厳しいと言う意味では北海道と同様ですが、北海道程悲惨な話は聞きません。

四国はもともと高松をハブとした都市間路線が主体で、特定地方交通線も小松島線と中村線しかありませんでした。

実際、平成27年度の輸送密度を見ると、2,000人/キロ/日未満の路線は鳴門線, 牟岐線と予土線だけで、北海道に較べると遥かにマシな状況です。

  • 加えて、四国では冬の除雪が全く不要なのも大きいでしょう。

ただ、8,000人/キロ/日を越えているのは本四備讃線と予讃線・(讃)高松-多度津-観音寺間だけと言うのが厳しい現状を物語っておりますが…。

今後メスを入れる事になったとしても、上記の鳴門線, 牟岐線と予土線くらいしか対象路線はなさそうです。

それより、阿佐海岸鉄道を心配しないといけませんよね。


九州:民営化前の路線廃止はなかったが…

一方、九州旅客鉄道は平成28年10月25日までに完全民営化を果たしました。

同社は民営化に先立って、不採算在来線の整理を示唆しており、特に指宿枕崎線が廃止検討対象として名が挙げられておりました。

そのような事から、どの線区も廃止論議に入る事なく無事民営化出来たのは僥倖でした。

指宿枕崎線だけでなく、数値を見るなら肥薩線・人吉-吉松間や吉都線など更に悲惨な線区もあります。

  • 肥薩線は一応観光路線として活用しておりますが、依然大赤字のままです。

いずれにしても、メスが入るのが上場前から上場後に変わっただけなのかも知れません。

完全民営化後の動向に注目したいものです。

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