芸備線備後落合以東が廃止されない理由

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以前にも書きましたが、西日本旅客鉄道は三江線を廃止させるだけで終わらせるとは思えません。

数値を見るなら、恐らく日本一の閑散線区である芸備線・備後落合-東城間こそ有力候補となるでしょう。

でも、実際にはこの線区は廃止論議さえ起きておりません。


前置き芸備線備後落合以東は日本一の閑散線区!?

芸備線・備後落合-東城間は平成26年輸送密度が何と 8人/キロ/日と、とても鉄道の営業実績とは思えない数値です。

芸備線は広島市内区間が亜幹線級の輸送密度を持っており、このため全線では一応四桁の輸送密度を維持しております。

ですが、一桁と言うのは三江線全線いやあの阿佐海岸鉄道より悲惨な数値です。

輸送密度は計算方法に依りそれこそ恣意的に値を引出す事が出来ます。

とは言え、この数値は恐らく日本一悲惨な数値ではないでしょうか。

それこそ、株主から訴えられても驚けない数値です。


東城-広島間はバスに完敗

当り前ですが東城は広島県にある街なので、クルマ社会と言えども広島への公共交通機関での移動需要は充分あります。

でも、東城からだと芸備線よりも高速バスの方が速く安く便利なので、全く太刀打ち出来ません。

バス
広島バスセンター-東城駅前間は
  • 所要時間 2時間37分
  • 運賃 2,110円
芸備線
広島-東城間
  • 所要時間約 4時間半
  • 運賃 2,590円

ひょっとしたら、一日に芸備線を東城から利用している八人以下の方で広島まで乗り通している方は一人もいないのではないでしょうか


急行でも勝てなかった芸備線

ちなみに、芸備線には平成19年まで急行『みよし』が三次-広島間で運転されておりました。

平成14年までは急行『たいしゃく』も備後落合-広島間で運転されておりました。

実際に検索したところ、平成 3年改正時の芸備線ダイヤが公開されておりました。

それに拠ると、上り『たいしゃく』は広島1730発→備後落合1950着で所要時間は 2時間20分となっておりました。

接続列車に乗継げば東城2033着で、所要時間は 3時間 3分となります。

当時の高速バスの状況は分かりませんが、少なくともただでさえ高い運賃に更に急行料金を上乗せしてもバスより遅いのですから、『たいしゃく』『みよし』が廃止に追い込まれるのは致し方ないでしょうかねえ。


本題:こんな線区が何故廃止議論されない?

さて、前置きはこれくらいにしましょう。

三江線が廃止の渦中に置かれている間も、芸備線の備後落合-東城間については全く廃止論議の話を聞きません。

三江線より酷い、いや日本一酷い数値を出しているにも拘らずです。

恐らく廃止しても誰も困らない筈の数値であるにも拘らずです。

これは一体どう言う事でしょうか。

  • 【免責事項】以下は全て憶測で書いております。

阪神淡路大震災で得た教訓か?

平成 7年 1月17日に発生した阪神淡路大震災では、山陽新幹線と JR 神戸線が長期に渡って不通になりました。

この時、西日本旅客鉄道は JR 宝塚線, 加古川線と播但線を駆使して JR 神戸線の代替輸送を実現しました。

恐らく、西日本旅客鉄道はこの一件を機に、JR 神戸線や山陽本線と並行するローカル線を予備の路線として位置付けるようになったのでしょう。


芸備線塩町以東は岡山-福山間の予備か?

芸備線の塩町-備後落合-新見間は、伯備線と福塩線を組合せる事で、山陽本線・岡山-福山間の最短予備路線として機能出来ます。

この区間を廃止してしまうと、伯備線-山陰本線-JR 山口線-山陽本線と遠廻りを強いられてしまうでしょう。

  • 下関に向かうなら JR 山口線を経由せずそのまま下関まで直行でしょう。

実際、平成13年にはこの辺りで芸予地震が発生しており、この時は幸い山陽本線に長期に亘る障害は起こりませんでしたが、リスクは確認出来た筈です。


結論

西日本旅客鉄道にしてみれば、本来ならこんな赤字線はさっさと廃止したいところでしょう。

でも、山陽本線の震災リスクを考慮すると、予備の路線として維持する必要があるのでしょう。

このため、廃止を検討せず最低限のメンテナンスを続けている訳です。

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