青春18きっぷ等の"通過特例"は本来やるべきでなかった

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東北新幹線の新青森延伸で初めて導入された青春18きっぷ等の第三セクタ区間通過乗車特例。

個人的にはやるべきではなかったと思っております。


どう見てもおかしい通過特例

整備新幹線開業に伴い、並行在来線は一部を除いて廃止され第三セクタに移管されております。

その結果、一部枝線が旅客鉄道在来線として孤立する事象が起こっております。

でも、だからと言って孤立路線へのアクセスのために移管された区間について運賃を払わなくても良いと言うのはどう見ても異常です。

普通乗車券や定期乗車券でそんな事が認められますか?

仮に旅客鉄道会社が運賃を肩代わりすると言うのならまだ分かりますが、きちんと利用者分の運賃を払っているのですか?

下手すれば独占禁止法で禁止されている優越的地位濫用とも取られ兼ねません。


道南いさりび鉄道には認められなかったが…

現在、青春18きっぷ等で通過特例が設定される条件は明文化されていませんが、

  • 旅客鉄道会社の路線網から孤立する枝線が発生する場合

と言うのが基準となっていると考えられます。

このため、道南いさりび鉄道については通過特例は認められる事はありませんでした。

江差線・木古内-江差間が平成26年 5月に廃止された結果、旅客鉄道会社の路線網から孤立する在来線が発生しなくなったからです。


見方を変えたら、北海道新幹線の通過特例も…?

ただ、見方を変えると、海峡線の実質的な廃止(定期旅客列車の運行停止)に依り北海道旅客鉄道の全在来線が全国の旅客鉄道在来線網から孤立したと見る事が出来ます。

そうなると、内地と北海道を結ぶ唯二つの経路となる

  • 北海道新幹線・奥津軽いまべつ-新函館北斗間
  • 或いは奥津軽いまべつ-木古内間と道南いさりび鉄道

のいずれかについて通過特例を認めざるを得なくなってしまいます。

これはどう見てもおかしいでしょ?

結局のところ、通過利用を認めるか否かについては旅客鉄道会社の判断次第と言う事になるのでしょうか。


通過利用特例が認められない主な線区

整備新幹線開業の結果、枝線が孤立はしていないと言う理由から通過利用が出来なくなった線区もあります。

また、整備新幹線以前も主に特定地方交通線の廃止・移管に依り通過利用が出来なくなった線区もあります。

でも、これらの線区の中には迂回が事実上不可能な線区もあります。

一部路線に於ける通過特例は、こう言った線区との整合性を無視した暴挙とも言えます

  • だからと言って、これらの線区に対しても同様に通過特例を認めろと言いますか?

以下に通過利用が出来なくなった主な線区を挙げてみましょう。


アイジーアールいわて銀河鉄道・盛岡-好摩間

東北新幹線の八戸延伸で経営分離された区間ですが、花輪線を利用する場合にも通過特例はありません。

従って、花輪線を盛岡から利用したい場合でも 650円が必要になります。

一応花輪線は大館で奥羽本線と接続しており孤立してはいませんが、田沢湖線が迂回路として機能しているとはとても言えません。



しなの鉄道北しなの線・長野-豊野間

北陸新幹線の金沢延伸で経営分離された区間ですが、飯山線を利用する場合にも通過特例はありません。

従って、長野-豊野間の通過乗車には 250円が必要になります。

一応飯山線は越後川口で上越線と接続しており孤立はしていません。

でも、信越本線の横川-篠ノ井間が既に廃止されている事から、理論上迂回するには最速でも東京都内に入る必要があり、250円の代償としては余りにも非現実的です。

  • 調べてみたところ、長野を 6時31分に出ても越後川口着は19時40分となります。結果飯山線は森宮野原にまでしか行けません。

もっとも、(信)横川-篠ノ井間が存続していたとしても、高崎経由の迂回さえ現実的ではありませんでした。


伊勢鉄道伊勢線・河原田-津間

かつての国鉄伊勢線ですが、第二次特定地方交通線として廃止・移管された線区です。

現在、快速『みえ』等で河原田-津間を通過する際に 510円が必要となります。

一応迂回路として亀山で関西本線と紀勢本線を乗継ぐ方法があります。

所要時間は増えるものの実用上特に大きな支障にはなっておらず、経営分離区間の迂回路が迂回路として機能している稀有な例と言えます。

ちなみに、東海旅客鉄道が発売する『青空フリーパス』では平成18年から伊勢鉄道も加盟しており、このため同区間の運賃別払いは不要となっております。


土佐くろしお鉄道中村線・窪川-若井間

国鉄中村線は土讃本線の延長でしたが、土讃本線としなかった事で第三次特定地方交通線として廃止・移管されました。

この結果、予土線を利用するために窪川-若井間を通過する際に 210円が必要になります。

この区間の旅客鉄道に依る迂回路は事実上存在しません。

別払いをどうしても避けたければ並行する国道 381号等沿道約 5キロを徒歩で移動するしかないでしょう。

  • 土讃線・予讃線経由の場合、早朝に窪川を出ても北宇和島着は23時過ぎになり、予土線は最終列車出発後となっております。

尚、四国旅客鉄道独自の特別企画乗車券では窪川-若井間がフリー区間に含まれているものが多くなっております。

特に青春18きっぷの四国限定版とも言える『四国再発見早トクきっぷ』でも窪川-若井間の通過利用が可能となっております。

それ故、四国旅客鉄道の裁量でこの区間にも通過特例をと言いたくなるかも知れませんが…。


福岡市営地下鉄空港線・博多-姪浜間

もともと国鉄筑肥線が博多-姪浜間を通っておりましたが、昭和58年(西暦1983年)に福岡市営地下鉄一号線の同区間が完成した際に実質的に移行する形で廃止となりました。

  • 筑肥線の廃止区間の経路は福岡市営地下鉄一号線とは全く異なるものでしたが。

結果、筑肥線を利用していて博多まで通過したい場合には 300円が別途必要になります。

蛇足ですが、この前年となる昭和57年(西暦1982年)に『青春18のびのびきっぷ』が新発売となりました。

しかし、筑肥線の一部が福岡市営地下鉄への移行した際も特に配慮される事はなく、単純に使えなくなるとしただけでした。

でも、それが当り前なのですけどね


下手したら歯止めがかからなくなる?

上記では一応国鉄・旅客鉄道線でなくなった区間の通過利用についてのみ述べました。

でも、もともと国鉄・旅客鉄道線でない区間でも直通運転している区間があります。

そう言った区間に対しても通過特例を求めるなんて馬鹿が現れないとも限りません。

主な例を挙げておきます:

東京臨海高速鉄道りんかい線・大崎-新木場間
埼京線から京葉線にアクセスするため通過利用する可能性はあります。
  • 尚、コミケットで利用される国際展示場駅へのアクセスは通過利用ですらないので認めようはありませんねw
東京メトロ東西線
総武線・中央線各駅停車の別経路として直通列車があります。
東京メトロ千代田線・北千住-西日暮里間
西日暮里駅から常磐線各駅停車にアクセスするため通過利用する利用者は多く、このため青春18きっぷの場合には北千住までの乗車券を買う必要があります。
  • ちなみに制作者が西日暮里でこの切符を購入した際、業務委託印(いわゆる○ム印)を捺されました。
尚、綾瀬-北千住間は常磐線各駅停車と共有される特定区間のため、青春18きっぷでの利用は従前より問題ありません。
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