長崎新幹線と北海道新幹線にみる、整備新幹線への不安

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長崎新幹線の整備や北海道新幹線の現状を見ると、整備新幹線に暗雲が満ちているのかも知れません。


長崎新幹線の不安

長崎新幹線(西九州新幹線九州新幹線長崎ルート)については、平成34年の開業時には武雄温泉での新在対面乗継とする事となりました。

理由は言うまでもなく、フリーゲージトレインの開発停滞です。

現状では、フリーゲージトレインが平成34年開通まで間に合わない事がほぼ確実になってしまったのです。

結果、山陽新幹線から長崎方面への乗換が在来線なら博多で一回だけで済んだのが、新鳥栖と武雄温泉の二回に増えてしまう事となります。


時短効果と利便性が損なわれれば…

確かに、鹿児島ルートの暫定開業では新八代駅の対面乗継でも殆ど問題はありませんでした。

でも、それはかなりの長距離だったからで、150キロ程度で数十分の時短効果しかない長崎新幹線では果たしてどうでしょうか。

博多-長崎間は高速バスもあり、所要時間も二時間半程度です。しかも低料金。

大した時短効果がないのに

  • 料金は高くなるわ
  • 乗継は面倒だわ

では、利用する方はどれだけ増えるでしょうかねえ?

少なくとも制作者は使いません。


鹿児島ルートもピンチ?

ちなみに、鹿児島ルートも並走する高速バスに圧されつつあると言います。

そのせいか、昨今では新幹線とは思えないほど激安な企画切符も出されたりします。

一時は九州旅客鉄道は新幹線効果で上場だ!と気炎を上げておりましたが、今はそれどころではなくなりつつあるのかも知れません。

  • まさかローカル線を尽く切捨ててまで上場しようと言う事にはならないと信じたいのですがねえ…

北海道新幹線に漂う暗雲

北海道新幹線にも早くも暗雲が満ちております。

開業時こそ転売狙いで?完売したものですが(実際の乗車率は全体で六割程度だった)、それ以降の予約率は25%程度しかないと言います。

実際、開業日以降二日間の利用率も三割強に留まっております。

北海道旅客鉄道は、首都圏-函館間の輸送シェアを一割から三割に拡大した結果、毎年四十五億円の赤字となると試算しております。

ですが、三割程度の着席率では在来線時代の五割増しにさえなりません。

従って、このままでは輸送シェアが三割にはなり得ないと言う事となります。

当然、毎年の赤字も四十五億円では済まなくなってしまうでしょう。

平成28年度は、年間純損失を四十四億円とする計画ですが、果たして四十四億円で済むのかどうか…。


札幌延伸も逆効果に?

しかも恐ろしいのは、札幌延伸を果たしても状況が改善されるどころか悪化する恐れがある事です。

青函トンネルのボトルネックを改善しても、毎時 260キロ縛りがある限り首都圏-札幌間の航空のシェアを奪えません。

整備新幹線は設計上 350キロ毎時まで対応しているのですが、貸付料や保線費用の高騰を恐れて公称 260キロ毎時に下げております。

また、北海道新幹線の成功には、東北新幹線を運営する東日本旅客鉄道の協力が不可欠です。

そう、盛岡-新青森間の高速化もシェア奪取には欠かせません。

東日本旅客鉄道が、

  • 貸付料, 保線費用等の支出削減と
  • 旅客増加での増収

のどちらを取るかが決め手になりそうです。

ただ、高速化が実現したとしても、東京-札幌間は四時間台がいいところでしょう。

そうなると、対費用効果を理由に貸付料の増額を飲まない恐れもあります。

その結果、札幌延伸後も低迷が続く事になる恐れがあります。

いや、下手をすれば却って状況が悪化するかも知れません。

それこそ、北海道新幹線は北海道旅客鉄道再起への起爆剤になるどころか、北海道旅客鉄道の自爆装置になり兼ねません


北陸新幹線にも不安要素が

北陸新幹線については、航空路線を圧倒しつつあるなど盛況が報じられております。

ですが、それでも平日の利用状況は決して芳しいものではありません。

北陸にはビジネス需要が少ないため、プレジャ需要が少ない平日の利用が伸び悩むのは仕方がありません。

結局、航空を追い込んだとしても、需要はそれ程は伸びていないとも言えるでしょう。

もっとも、北陸新幹線は経営主体が東日本と西日本なので、それ程深刻な問題にはならないと思われます。


考えられる事


整備新幹線の仕組みが破綻し始めた?

整備新幹線の仕組みは、

  1. 国がインフラを作って旅客鉄道会社に貸出す
  2. ※旅客鉄道会社が大儲けして貸付料で還元する
  3. 貸付料を原資に更なるインフラの拡張を行う
  4. (※繰返し)

と言うものでしたが、もはやそれが破綻しつつあるのではないでしょうか。

特に、二番目の旅客鉄道会社が大儲けと言うのが破綻し始めていると思われます。


高速バスの台頭が整備新幹線を不要にした?

皮算用が外れた原因は、利用されない事に尽きます。

これは、状況の変化もあるでしょう。

高速道路網の発達と高速バス市場開放で、低価格でもそこそこ速い選択肢がほぼ全国規模で加わりました。

そうなると、必要以上の速度をわざわざ高い金を出して利用する必然性がないのでしょう。

特に現在整備が進められている線区はどれもビジネス需要が少なく、高い金を出してでも早くと言う需要がそもそもないのではないでしょうか。

九州新幹線が、明らかに新幹線より遅い筈のバスに圧されていると言われているのも、こう言った理由からでしょう。


整備新幹線は"第二の国鉄"にはならないが…

尚、整備新幹線が"第二の国鉄"になる心配は今のところありません。

確かに、近年では整備費用捻出のため、支払われる貸付料を担保に借入れを行う話まであります。

それでも担保を抑えるのですから、際限なく借金地獄に陥る恐れはそれ程無いでしょう。

  • もっとも、特定財源を転用する事は絶対にしないのですけどね~

それより、整備新幹線を請負う旅客鉄道会社、取分け上場の目途が全く立たない北海道旅客鉄道こそが国鉄の二の舞になり兼ねません

本来なら、そちらを心配する必要があるのですが…。

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