夜行列車を成功させるには

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夜行列車はなかなか収益が上がらないようです。


『はまなす』の場合

はまなす』については、平成27年に北海道旅客鉄道は年十億円もの収益をもたらしていたと述べておりました。

しかし、同年に東日本旅客鉄道から経営陣を受入れた結果、あっさり廃止を決定しました。

確かに、本当に年十億円を稼いでいたのかは疑問です。

単純計算で、一日あたり片道で百三十七万円を稼いだ事になります。

一方、青森-札幌間の運賃と急行料金は一万円にも満たないものです。

寝台もありますが、それを考えても毎日百人以上の旅客が乗っていたと言うのは余りにも盛り過ぎでしょう。

『北海道&東日本パス』では急行券のみで利用出来るので、これを加味すれば更に乗客がいた事になります。

十億円云々と言うのは、鉄道趣味人へのリップサーヴィス(≒ウソ)だったのかも知れません。


超高額路線こそが夜行列車が生残る道?

昨今、『ななつ星』『瑞風』『四季島』と超高価格な寝台列車が発表されております。

既に運行を始めている『ななつ星』の場合、一泊二日でも二十五万円以上となっております。

勿論、ツアー商品として発売されているため、これが全額九州旅客鉄道の懐には入りませんが、それでもどう見ても十五万は入るでしょう。

間違いなく寝台料金部分は十万を下らない筈です。

そして、このべらぼうな価格こそが、旅客鉄道各社が出した結論と言えるでしょう。

現在公式に定められている寝台料金では、どう足掻いても収益を挙げられません。

このため、料金を目一杯引上げられる超高級路線で行くしかないと言う訳です。


蛇足:高速バスさえも高価格路線に?

蛇足ですが、あの日本最長夜行バス『はかた号』もプレミアムクラスだけにしてしまいました。

それも、単なる座席の改善だけではなく、至れり尽くせりの個室を導入しました。

高速バスやツアーバスの低価格化が安全と引換になってしまう域にまで達した昨今、もはや価格競争は限界に達したと判断されたのでしょう。

九州方面への寝台特急が全廃された今、逆に高級路線でもやっていけると言うのもあったのかも知れません。


薄利多売路線はダメなのか?

一方、経営戦略として超高額路線の対極にあるのは薄利多売路線でしょう。

285系電車『サンライズエクスプレス』に"ノビノビ座席"が設定されたのは、恐らく数で収益を確保しようと言う薄利多売の狙いがあったからでしょう。

個室よりも収容人数が多い"ノビノビ座席"の方が、トータルでの収益は大きくなるからです。

ですが、夜行列車の場合それ程多くの旅客を詰込めないため、満席でも収益を上げ難いのでしょう。

結局、"ノビノビ座席"は他形式には波及する事はありませんでした。


需要がなければ…

超高額路線なら附加サーヴィスを拡充する事で需要を引出す事も出来ます。

でも、薄利多売路線ではサーヴィスは概ね最低限のものに絞られるため、本当に低価格でないと利用出来ない層以外に訴求するのは無理でしょう。

そして、鉄道趣味人以外に夜行列車を選択する人間がどれだけいるかでしょう。

  • 徹底した航空機嫌いでない限り、長距離移動では航空機を採る筈です。
  • 新幹線が並走している区間なら、新幹線を採るでしょう。
  • 学生など航空機や新幹線が使い難い層は、陸続きであれば高速バスやツアーバスを採るでしょう。

    • ただでさえ寝ている間に何されるか分からない夜行列車です。

      個室など安全が確保されない限り、余程安くないと無理でしょう。

これらを考えると夜行列車の需要が高い線区は極めて限定的となります。

『サンライズ出雲』『サンライズ瀬戸』が生残ったのも、山陰新幹線や四国新幹線の整備計画が具体化されていないからと言えます。


青春18きっぷの場合は?

青春18きっぷに対応する夜行列車はどうでしょうか。

青春18きっぷは先にも述べた通り、旅客鉄道会社では数少ない薄利多売路線の成功例です。

ですが、青春18きっぷの収益は全体では高いものの、列車単位で言えば極めて少額になってしまいます。

この際断言しますが、青春18きっぷ対応夜行列車の黒字化は不可能です。

かつて165系で運行されていた"臨時大垣夜行"は首都圏の通勤電車以上の混雑になった事もありますが、それでも期間を通して見れば赤字だった筈です。

夜行快速列車が相次いで廃止され、復活の可能性も見えないのはこれが一因でしょう。


青春18きっぷが夜行快速を殺した?

寧ろ、夜行快速の設定に青春18きっぷが邪魔になってさえいる筈です。

『ミッドナイト』は、先行した高速バス『オーロラ号』(現『高速はこだて号』)に対抗して設定されました。

鉄道運賃ではバス運賃に勝てないため、急行列車とするのを断念したそうです。

しかし、青春18きっぷでしか利用されなくなってしまい、結果大赤字になってしまったのでしょう。

結局、専用車を老朽化を口実に廃車し、その後昼行特急用車輌を使い廻した後で列車を廃止しました。


結論

どう足掻いても夜行列車は超高額路線しか生残る道はなさそうです。

少なくとも庶民が利用出来る夜行列車は、もはや収益が上げられないのでしょう。

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