道南いさりび鉄道に新幹線フィーダ快速がない理由

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北海道新幹線の開業も間もなくとなりました。

今回は道南いさりび鉄道についてです。


新幹線接続需要を考慮しない道南いさりび鉄道

結構いろいろなところで聞くのが「道南いさりび鉄道も新幹線に接続する快速を運行すべきだ」と言うものです。

実際にはそのような列車は運行されません。

それどころか、以前書いた通り木古内での新幹線との接続は非常に悪いものです。

まるで木古内での新幹線接続を無視してダイヤを組んだかのようです。

一応、道南いさりび鉄道は観光車輌『ながまれ号』を導入し、新幹線との接続列車にも活用する事を言及しております。

でも、そのくせ新幹線利用者を語る割には、新幹線接続を考慮たダイヤではありません。

一方、木古内町は駅前に無料駐車場を整備し、函館市民に訴求する戦略を立てております。

確かに、北海道の超クルマ社会ぶりを考えれば、この戦略はかなり高い確率で成功すると思われます。

でも、それなら道南いさりび鉄道は活用しないのか? と言う事になります。


道南いさりび鉄道の新幹線フィーダ快速に対する考察

以下、幾つかの角度から考察してみましょう。


新幹線フィーダ快速を阻む(しがらみ)


新函館北斗を優先する北斗市

道南いさりび鉄道は北斗市西部も通り、勿論北斗市も出資しております。

一方、北斗市は北部に新幹線駅・新函館北斗駅を抱え、この駅の活性化に力を入れております。

確かに、道南いさりび線は北斗市の中心地となる上磯も経由しますが、北斗市にとっては新函館北斗の方が大事なのでしょう。

このため、北斗市は木古内から函館に直行するフィーダ快速を寧ろ嫌う可能性があります。

加えて、平成27年 6月22日現在の出資比率を見ると、函館市, 木古内町, 北斗市の二市一町で北斗市が一番比率が高くなっております。

  • 北斗市の比率は 9.0%。他の一市一町はいずれも 3.6%。

つまり、沿線自治体では北斗市が最も発言力がある事になります。


北海道旅客鉄道も新函館北斗推し

また、北海道新幹線を経営する北海道旅客鉄道も、出来るだけ長い距離を乗ってもらいたいと思う筈です。

つまり、木古内で降りられるより新函館北斗まで乗ってもらいたいと思う筈です。

何しろ、函館本線の部分電化までやってしまったのですから、当然これらの先行投資を無駄にはしたくないでしょう。

勿論、北海道旅客鉄道は道南いさりび鉄道には一口も出資しておりません。

また、優越的地位を濫用して経営に圧力を掛ける事も許されません。

ただ、道南いさりび鉄道の運営には北海道旅客鉄道の協力が不可欠で、無闇に強く出られないと言う事情もあります。

残念ですが、優越的地位がある相手にはある程度は譲らなければならないものです。


新幹線フィーダ快速の利点は?

もう一つ、そもそも道南いさりび線に新幹線フィーダ快速を運行する利点があるのか?と言う問題もあります。


所要時間

先ず、所要時間から考察しましょう。

北海道新幹線の木古内-新函館北斗間と『はこだてライナー』の新函館北斗-函館間の所要時間を合わせると乗継時間込みで四十七分となります。

一方、『白鳥』などの江差線特別急行列車は木古内-函館間で四十分以上掛かります。

加えて、木古内駅は新幹線と在来線とで階段の上り降りを最低三回は強いられます。

新幹線ホームと在来線ホームも離れており、十七分ではちょっと短過ぎるでしょう。

つまり、木古内接続だと木古内-函館間はどんなに接続時間を切詰めても一時間は掛かる事になります。


実際にはもっと厳しい

これまでの話しは、函館本線特急の所要時間で考察しましたが、実際に道南いさりび鉄道が快速を設定するとしたら、所要時間は更に長くなる筈です。

函館本線の特急列車は、木古内-函館間は一部五稜郭に止まる便を除きノンストップです。

一方、木古内-函館間にフィーダ快速を設定する以上、途中最低でも上磯, 清川口, 七重浜, 五稜郭には停車する必要があるでしょう。

加えて、道南いさりび鉄道が採用するキハ40系は 95キロ毎時しか出せず、江差線もカーヴのカントを下げるなどの措置が執られ、高速走行に適さなくなっております。

これらの悪材料を考慮すると、恐らく木古内-函館間の快速列車の所要時間は五十分近くになると考えられます。

恐らく、乗継時間を加味すれば木古内乗継では一時間台前半になってしまうでしょう。

たたでさえ遅いと言われている北海道新幹線に於いて、かなり不利と言えるのではないでしょうか。


費用面

一方、費用面では新幹線特急料金が高いお蔭で木古内接続の方が有利になります。

例えば大宮-函館間の場合、

新函館北斗接続
通常期で 22,160円
木古内接続
  • 木古内までが通常期で 20,490円
  • 木古内-函館間は 1,110円

より合計 21,600円

となり、木古内接続の方が 560円節約出来ます。

実際には往復利用となる場合が多く、その場合運賃も往復割引となるため節約出来る金額はもっと少ないでしょうが、それで安くはなります。

ただ、道南いさりび鉄道との連絡乗車券を全国の旅客鉄道会社のみどりの窓口で買えないと、現地払いになり不便でしょう。

道南いさりび鉄道ではスイカもパスモも使えませんし。


そもそも敵は函館本線でなくクルマ

そして何よりも考慮しなければならないのは、超クルマ社会・北海道に於いてクルマから転移するだけの魅力があるかと言う事でしょう。

現地の人間だったら、この程度ならクルマの方がもっと安くて便利と思われたら道南いさりび鉄道のフィーダ快速は利用されないでしょう。

内地からの利用者も、駅前に用事がない場合はレンタカーを借りたり受入先の送迎輸送を活用するでしょう。

結局、道南いさりび鉄道のライヴァルは函館本線ではなくクルマなのです。

函館本線との競合云々も、まずはクルマに勝たなければ意味がないのです。

  • この事を考えると、函館本線の部分電化も余り意味はなさそうな気はします。

    でも、函館直行でない不利益を何らかの形で軽減する必要があるので仕方がかなったのでしょう。


結論

考察すればする程、道南いさりび鉄道に依る木古内からのフィーダ快速は、実現が難しそうな気がします。

道南いさりび鉄道の経営に余裕があれば、もっと高性能な車輌を導入して設定を試みるのも良いのですが、正直同社は綱渡りの経営を強いられるのが必定なので、無理は出来ないのでしょう。

  • それにしても、いつもの事でしょうが鉄道趣味人らしからぬ鉄道に否定的な文章ですなあ…。
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