【再掲】青春18きっぷ・『北海道&東日本パス』では乗継げなくても補償は受けられない
- 15時34分
- カテゴリ:鉄道ネタ
- 【ご案内】この記事は平成28年 3月 7日に公開した記事ですが、過日発生した平成29年台風 5号の影響などを鑑み加筆修正の上掲載しております。
- 【追記】令和 3年12月26~27日の大寒波で東海道線などのダイヤが混乱していることを受けて再掲載しました。
青春18きっぷや『北海道&東日本パス』を利用する場合、途中で列車遅延などがあっても
- 新幹線や特急への便宜乗車
- 払戻しや無賃送還等
等のを補償を求める権利は一切ありません。
それこそ、列車遅延等で後続列車に乗継げず途中駅で放り出されて野垂れ死にしても文句は言えません。
まともな青春18きっぷ/『北海道&東日本パス』利用者なら承知して利用している筈の事です。
でも、承知せずに利用している"不良青春18ゴロ"もおります。
■自称旅行会社社長が不良青春18ゴロを唆し…
普段制作者がディスっている自称旅行会社社長は「俺の著書を片手に便宜乗車を勝ち取れ」と18乞食どもを煽って来ました。
その結果あちこちで不良18ゴロどもがトラブルを起こすようになってしまいました。
具体的には、駅員や車掌を集団で取り囲んで責め詰って便宜乗車特認を強要するなどと言ったものです。まるでヤクザだね。
実際にその結果東日本管内を中心に寝台特急や新幹線への無賃乗車が特認された事もあったようです。
■不良18ゴロに対処する旅客鉄道各社
しかし、如何に青春18きっぷが毎年五十万枚以上売れるロングセラーとは言え、こう言う恐喝行為を旅客鉄道会社が看過する筈もありません。
それこそ、普通に運賃料金を払って新幹線等を利用している乗客に申し訳が立たないでしょう。
□青春18きっぷに書かれた注意書き
だからかどうかは知りませんが、ここ数年の青春18きっぷの注意書きには、以下の様な文言が添えられております:
- 災害等の理由により、ご利用予定の列車に接続しないため、当日の最終目的地に到着しない場合でも、新幹線・特急列車等にはご乗車になれません。(一部区間除く)
ちなみに、この文言は東海旅客鉄道公式サイトの青春18きっぷ案内にはきっちり書かれておりましたが、他社サイトでは見掛けないようです。
そして、東海旅客鉄道がこの事を省略せず書いているのは、明らかに「どんな事があっても東海道新幹線にはタダでは乗せないぞ」と言う意思表示でしょう。
いずれにしても、この文言は件の自称社長の著書で言われている補償措置はしないと言う事です。
*便宜乗車を絶対に認めない東海旅客鉄道
実際、東海旅客鉄道は琵琶湖線での人身事故に因る列車遅延があっても、『ムーンライトながら』乗車予定の青春18きっぷ利用者に対して東海道新幹線への便宜乗車は特認しませんでした。
- ちなみに、そのときはコミケット当日で『ムーンライトながら』を利用する予定だった参加者は結局翌日昼過ぎにビッグサイトに到着したそうです。
また、台風で『ムーンライトながら』が運休になっても当日・翌日の東海道新幹線に青春18きっぷだけで乗せた事は一度もないと言います。
恐らく、今後もどんな事があっても青春18きっぷ利用者を東海道新幹線に便宜乗車させる事はないでしょう。
- 真偽は分かりませんが、東海旅客鉄道は現場に対し18乞食どもが補償を強要してきたらすぐ警察を呼べと通告を出していると言う噂もあります。
- 東海旅客鉄道は青春18きっぷを嫌っていると言う根拠のない噂もありますが、東海道新幹線への便宜乗車を求められない限りは容認する立場なのでしょう。
□一ノ関駅の張り紙
また、平成22年の東北本線・一ノ関駅にはこんな注意書きが貼られていたそうです:
「青春18きっぷ」・「北海道&東日本パス」をご利用のお客さまにご案内いたします。
(中略)
災害等発生した場合には、列車の運休・遅延が発生する場合があります。
そのため、旅行が計画通りの接続とならない場合がありますので、その際ご理解とご協力をお願い致します。
(中略)
新幹線及び特急列車の振替輸送は致しませんので、ご理解をお願い致します。
要するに「列車が遅れても新幹線や特急には乗せないからそのつもりでな!」と言っている訳です。
平成26年にも同様の張り紙がしてあったそうですから、恐らく毎季この掲示を出しているのでしょう。
かつて一ノ関駅で青春18きっぷ或いは『北海道&東日本パス』を巡って何が起きたのかは調べ損ねました。
でも、その時に駅長は腸が煮えくり返るような目に遭ったのではないかとさえ思いました。
■そもそも、青春18きっぷ・北海道&東日本パスに補償規定はない
□何故普通乗車券等に補償規定があるのか
確かに、普通乗車券等の利用者に対しては、さまざまな形で補償措置を執る事があります。
制作者も、一度救済措置で姫路から京都まで山陽・東海道新幹線に便宜乗車させてもらった事があります。
その時の乗車券は今は亡き周遊きっぷの帰り券で、利用した列車はこれも今は亡き寝台特急『あかつき』でした。
でも、この時は寝台特急の大幅な遅延だったため、特急遅延に対する補償として全乗客に特認が出たのでしょう。
乗車券や特急券所持者に対するこれらの救済措置は、旅客と鉄道会社間で結ばれた契約を履行出来なかった事に対する補償の意味があってのものです。
すなわち「何処から何処までの輸送を行う」と契約したのに出来なかった事に対して責任を取っているのです。
- 法律上、いわゆる"きっぷ"は旅客と輸送会社間で交わす輸送契約の証票、すなわち有価証券と見なされております。
□青春18きっぷ・北海道&東日本パスの場合は?
青春18きっぷ及び『北海道&東日本パス』の場合、発着地を特定していないため何処から何処までと言う契約は一切行われないと見るのが妥当です。
このため、
- 行き先を契約していない以上列車が遅延しても補償する義務はなく、
- 出発地も契約していないので無賃送還も認められない
と言う事になります。
そもそも、いずれも大幅な値引きを行った企画乗車券ですので、通常の契約とは異なったもの、もっと言えば旅客側に通常より不利な契約となるのは当然でしょう。
いずれにしても、青春18きっぷや『北海道&東日本パス』を使って遅れたから補償しろと言うのは過剰な権利要求と言うより恐喝以外の何物でもないのです。
■蛇足:著書を出せなくなった自称旅行会社社長の自業自得
件の自称旅行会社社長は便宜乗車関係の記述が問題視され、その結果自分名義で著書を出させてもらえなくなってしまいました。
毎年出版される事になっていた書籍についても他のライタに交代させられ、"トラブルシューティング"と称した便宜乗車関連の章は掲載されなくなりました。
ただ、間接的にとは言え、青春18きっぷの制度に於ける不備を指摘してその対処をさせたのですから、彼が残した功績は余りにも大きいと思われます。
□自称旅行会社社長が対処させたもう一つの不備
ちなみに、その"トラブルシューティング"と称した章には、
- 夜行列車乗車中に日付が変わってから青春18きっぷを利用する際、列車遅延で日付が変わる駅が変わった場合の扱い
- 誤発行で本来青春18きっぷでは乗れないグリーン車指定席に青春18きっぷとグリーン券だけで乗れた話
についても載っておりました。
前者については、青春18きっぷの注意書きでも、
- (略)乗車中に日付が変わってから「青春18きっぷ」を利用するときは、0時を過ぎて最初に発車する駅までの乗車券が必要です。なお、併用した乗車券は、お乗りにならない区間の営業キロが100キロを超えない場合、列車の遅延等に関わらず払い戻しいたしません。
と明記されるようになりました。
これも、件の自称旅行会社社長の功績と言っても過言ではないでしょう。
乗り鉄と言えば今は亡き種村直樹さんが有名ですが、種村直樹さんが遺した以上の功績と言えるでしょう。
- この注意書きも、東海旅客鉄道以外のサイトでは省略されているようです。
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