三江線廃止のあとにあるもの

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西日本旅客鉄道は、遂にと言いますか、三江線の廃止に向けて動き始めました。

公式なリリースはまだありませんが、平成29年度廃止に向けて動いたと言う報道もあります。


三江線廃止に向かった背景

以前書きましたが、西日本旅客鉄道は、三江線などのローカル線が水害で不通になる度に、沿線自治体から復旧費用を無心してきました。

その結果自治体に"借り"が生じる事となり、安易に廃止に向けて動けなくなっていたのです。

そんな状況にあって廃止に向けて動いたと言うのは、背景にいろいろな要因があるからでしょう。


北陸新幹線敦賀以西での主導権獲得のため?

北陸新幹線の敦賀以西のルートに於いて、西日本旅客鉄道が主導権を得るために不採算路線の整理に動いたと言う説があります。

整備新幹線は基本的に政府などに依って決められ、運営する側の希望は殆ど聞いてもらえません。

中央新幹線が整備新幹線とせず東海旅客鉄道の自主整備としたのも、政府の干渉───いわゆる"我田引鉄"───の弊害を回避するため、とはよく言われております。

しかし、整備新幹線は、運営会社が整備費用を供出せず全て税金で整備されるのもまた事実です。

従って、整備計画に口をだすのなら、カネも自分で出せるようにしなければならないのです。

実際、西日本旅客鉄道は敦賀以西の経路として、小浜・京都ルートを提案しました。

この経路は、政府では全く議論された事がない第四のルートであり、従ってこの案を通すには相応の供出が必要になります。

そのため、可能な限り赤字路線を整理し、資金を供出し易くするのが狙いではないかと言うのです。


北海道旅客鉄道の動向に影響された?

もう一つは、北海道旅客鉄道の動向に影響されたと言うものです。

北海道旅客鉄道の経営状況の厳しさは既に知られておりますが、それに起因する不祥事や事故が相次ぎ、とうとう体質改善のために大きく動く必要が生じました。

不採算路線の整理や、全く利用されない駅の廃止など、様々な対策が執られる事となります。

不採算路線について、遂に留萌本線が具体的なターゲットとして挙げられました。

この他にも北海道には幾つもの廃止候補があり、それらが俎上に上がるのも時間の問題でしょう。

こうして行くうちに、「不採算路線を廃止するのは已むを得ない」と言う空気が出来上がっていきます。

そのような状況から、西日本旅客鉄道も自治体への借り等と言ったしがらみを振り切って廃止に動けるようになったのではないか…と言う訳です。


個人的な感想

正直、三江線鉄道でなければならない必然性を全く感じません

殆どの列車が片手で数えられるくらいの旅客しかいないと言います。

昭和60年代に特定地方交通線の選別が行われた頃は、並行道路が不充分だったため廃止する訳には行かないとされておりました。

ですが、今日では既に並行道路も整備されており、もはやバスに代替出来ない理由はありません。

個人的に驚いたのは、江津市の市街地からそれ程離れておらず、沿線周辺にも人が多い筈の江津本町駅が、一日一人乗客がいるかいないかと言う状況である事です。

市街地でこの有様なのですから、沿線の大多数を占める過疎地域では言うに及ばないでしょう。

ローカル線に冷たいと言われている西日本旅客鉄道ですが、よく今まで我慢出来たとさえ思います。

  • この他にも三江線には言いたい事がありますが、それは別の機会に書きたいと思います。

本題 三江線に続く廃止候補は…?

さて、随分長い前置きになってしまいましたが、それでは、三江線が廃止となったら、それだけで終わるのでしょうかと言うお話です。

言うまでもなく、三江線の次となり得る候補は幾つもあります。

西日本旅客鉄道では、データで見るJR西日本と言うパンフレットで、自社の状況を公開しております。

そこには、各路線の平均通過人員についても公開されております。

北海道旅客鉄道は株式非公開会社のため、特に平均通過人員(輸送密度)が少ない線区に限って公表しておりますが、西日本旅客鉄道も

  • 特に長い路線
  • 特に平均通過人員が少ない線区が存在する路線

については、区間毎のデータを示しております。

その中から、特に目を引いたものを挙げておきましょう。

  • 念の為に申上げますが、以下に挙げるのはあくまでも一部に過ぎません

    この事を充分お含み置きください。


芸備線・東城-備後落合間の悲惨極まりない数字

西日本旅客鉄道の平均通過人員で一際目を引くのは、芸備線の東城-備後落合間でしょう。

当線区の平均通過人員は何と 8人/キロ/日! こんな線区を抱えていてよく株主代表訴訟や特別背任での告発がなかったものだとさえ思えてしまいます。

ちなみに、芸備線は広島市近郊を含む狩留家-広島間の平均通過人人は 8,988人/キロ/日で、鉄道の採算ラインと言われる八千人を超えており、亜幹線並と言ってもいいくらいの盛況振りです。

しかし、それ以外の線区、特に三次以東は惨憺たるもので、結果路線全体としては特定地方交通線にされてもおかしくない数字( 1,685人/キロ/日)になってしまっております。

芸備線も、姫新線のように、山陽本線が何らかの災害で不通になった際のスペア路線として残されていると言うのもあるかも知れませんが、それにしても悲惨極まりない数字です。


木次線の出雲横田以南はどうなる?

次によく言われているのが、木次線の出雲横田-備後落合間でしょう。

この区間は一日に三往復しかなく、また豪雪などで不通になった際にはタクシー一台で代行輸送が出来てしまう程のものです。

芸備線の東条-備後落合間同様、当該線区の数値は惨憺たるものである事は充分予想出来ます。

しかし、それ以上に気になったのは、西日本旅客鉄道がこの区間だけのデータを公表していない事です。

確かに、路線全体でも、平均通過人員は及第点には遠く及ばない 218人/キロ/日しかありません。

それでも、都市間線区である宍道-木次間は幾らかはマシと思われるのですが…。

ひょっとしたら、西日本旅客鉄道は、木次線を廃止するとしたら、出雲横田以南と言わず全線をバッサリと廃止したい意向なのではないかとさえ邪推してしまいます。

地元の支援で運行を続けているトロッコ列車『奥出雲おろち』が車輌の老朽化などで運行不能になった時こそが、木次線死亡フラグ掲揚の日でしょうか。


北陸新幹線枝線廃止議論再燃か?

北陸新幹線の金沢延伸の際、西日本旅客鉄道は枝線となる

についても廃止の意向を示しておりましたが、結局廃止を免れております。

しかし、このうち特に大糸北線は平均通過人員が 137人/キロ/日しかなく、明らかに鉄道としての必然性が疑われる数値です。

「北陸新幹線開業後は白馬方面へのフィーダ路線として活用する」とアナウンスされたものの、スキーシーズンが近付いた今日にあっても、未だにテコ入れ策は提示されておりません。

  • それこそ、臨時普通列車運行の話さえ上がっておりません。

    西日本旅客鉄道には本当に大糸北線を活用する気があるのでしょうか?

糸魚川市の市街地にある(糸)姫川駅も、平成25年の平均乗車人員は 2人/日しかなく、地元に本当に必要とされているのかさえ疑問に思います。

三江線同様、水害の度に沿線自治体から復旧費用を無心してきた事もあり、廃止に向けて動けなかったのも事実でしょう。

しかし、三江線廃止への筋道が立った事で、ポスト三江線の第一候補に上る可能性が高まったとも言えるでしょう。

また、福井・敦賀延伸後の九頭竜線(越美北線)の扱いも気になります。

九頭竜線も全線の平均通過人員は 463人/キロ/日しかなく、バス転換を求める可能性も生じてきました。

ただ、あの福井県ですので、一筋縄では行かないと思われますが…。

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