旧鹿島鉄道線について思う事いろいろ

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平成19年に廃止された鹿島鉄道線について思う事を色々書いてみます。

尚、鹿島鉄道株式会社自体は、鉄道廃止後も不動産管理会社として生き存えております。


鹿島鉄道の後を追うように消えた高校

鹿島鉄道が廃止に向けて動き始めた際、地元の高校生などが廃止反対運動を展開しました。

  • まぁ、この運動についても言いたい事はあるのですが、今回は書きますまい。

その中で中核となったのが、沿線に在った茨城県立小川高等学校でした。

しかし、その小川高等学校は、鹿島鉄道が廃止された六年後の平成25年 3月に閉校してしまいました。

制作者は彼の地には何の縁もないのですが、鹿島鉄道廃止が小川高校廃校へのトリガにでもなったのかと言う気がします。

  • 蛇足ですが、海峡線・知内信号場が旅客営業を廃止した遠因に、同信号場から列車で通学出来た唯一の高等学校だった北海道木古内高等学校の廃校もあったようです。

鉾田で鹿島臨海鉄道が接続出来ていたら?

旧鹿島鉄道は石岡でのみ他鉄道(常磐線)と接続しており、反対側の鉾田では鹿島臨海鉄道大洗鹿島線とは繋がっておらず、いわゆる盲腸線となっておりました。

たらればになりますが、鹿島臨海鉄道が鉾田駅で鹿島鉄道と接続していたらどうなっていたでしょうか。

歴史的には、鹿島鉄道はその名の通り、鹿嶋へ向かう鉄道として建設されたものです。

しかし整備は思い通りに進まず、鹿嶋までは途中の浜から連絡船で対応するようになり、本来支線となる筈だった鉾田ルートが結局本線になってしまった訳です。

鹿島臨海鉄道が繋がっていれば、創業当時の悲願が現実になっていた訳ですが、鹿島臨海鉄道は市街地から東に離れた箇所に新鉾田駅を設置し、両線は直線で数百メータ離れてしまいました。

一応、鉾田-新鉾田間を徒歩連絡していた利用者は少なからずいたと言います。

このため、大洗鹿島線が鉾田に直接乗入れていれば、ひょっとしたら鉾田乗継の利用者が増え、小川方面から鹿嶋のみならず大洗や水戸への経路として定着していたかも知れません。

ただ、茨城県は他の北関東同様クルマ社会なので、それが鹿島鉄道線廃止を逃れる要因になっていたかは覚束無いのですが…。


全く分からない"鹿島参宮連絡船"の廃止への経緯

この件については記事公開後に調べ直したので、別記事にてお話します。


存続していたら"ガルパン効果"は得られたか?

平成24年、大洗を舞台としたアニメ『ガールズ・アンド・パンツァー』が放映されました。

平成27年 8月現在も同人誌が多数作られ、沿線の百里飛行場(茨城空港)でもガルパンイヴェントが行われるなど、現れては消える中では結構長続きしていると思われます。

勿論、鹿島鉄道が廃止された平成19年には、まだガルパンのガの字も出なかった訳ですが、それでは鹿島鉄道が廃止を逃れた場合、鹿島鉄道は"ガルパン効果"を得られたでしょうか?


余り期待出来ないでしょうねえ…

残念ながら、"ガルパン効果"を得られたとしても、それはごく限定的で、それこそ鹿島鉄道にとって起死回生にはならないと思われます。

何故なら、石岡からであれば常磐線-水戸乗継で大洗鹿島線とした方が、金額的にも時間的にも優位だからです。

常磐線ルートの場合
  • 石岡-水戸間の運賃は 670円で、所要時間は35分程度
  • 水戸-大洗間の運賃は 320円で、所要時間は15分程度

乗継時間を考慮しないなら、合計 990円で 50分程度

鹿島鉄道ルートの場合
  • 石岡-鉾田間の運賃は推定 1,110円()で、所要時間は 60分程度
  • 新鉾田-大洗間の運賃は 520円で、所要時間は 24分程度

乗継時間を考慮しないなら、合計 1,630円で、84分程度

実際には、鉾田-新鉾田間は徒歩連絡のため、もっと時間が掛かる筈です。

  • 鹿島鉄道が廃止された後に消費税率が改正されたため、鹿島鉄道の運賃は推定となります。

    • 参考:石岡-鉾田間の平成19年 3月31日現在の運賃は 1,080円でした。

これでは、小川など、鹿島鉄道沿線でないと利用されないのではないでしょうか。

勿論、鹿島鉄道がガルパン列車を走らせてグッズを販売していれば、デメリットを解消する可能性はあるかも知れませんが、それは鹿島臨海鉄道でもやっている事で、しかも鹿島臨海鉄道がそれで大儲けしたと言う話は聞きませんからねえ…。


存続していたら茨城空港効果は得られたか?

鹿島鉄道廃止後の平成22年、航空自衛隊百里飛行場は茨城空港として民間開放されました。

  • そう言えば、鹿島鉄道の廃止論議に茨城空港開港に関する話しは殆ど出ていなかったようですが、やはり実現が難しいと思われていたからでしょうか。

もし、鹿島鉄道が持ち堪えていたら、茨城空港の効果はあったでしょうか。


これもなかったでしょうねえ…

まず、最寄駅の常陸小川駅は実は相当離れていて、バスでも十五分は掛かったそうです。

空港に直行するならともかく、空港から離れ過ぎていれば誰もアクセス列車として利用する筈がありません。


茨城県も見放していた?

茨城県が鹿島鉄道を空港アクセス鉄道として整備していれば、常陸小川から空港への支線を建設出来たでしょう。

ただ、茨城県にそう言う構想があれば、そもそも鹿島鉄道の廃止を公金を投入して阻止していた筈です。

或いは、千葉県の流鉄(旧総武流山電鉄)みたいに出資したり、同じ茨城県のひたちなか海浜鉄道(元茨城交通の鉄道部門)みたいに第三セクタ化するなどしていた筈です。

でも鹿島鉄道を救わなかった事から、県にそう言う構想はなかったのは明らかでしょう。

  • 茨城県が公金を投じない限り、鹿島鉄道が自力で空港線を整備出来る訳がなかったのは間違いありません。

仮に空港鉄道化したとしても、石岡から常陸小川までだけで四十分以上掛かった訳で、それだったら直接バスなりマイカーで行くなりした方が良かったでしょう。

県もそのような状況を認識していたからこそ、鹿島鉄道の空港鉄道化を考えなかったのかも知れません。

つまり、空港を誘致していた茨城県からも、近所の鉄道と言うのに見放されていた…と言う訳です。


そもそも、茨城空港自体が…

そもそも、茨城空港自体が惨憺たるものです。

国内航空会社はスカイマークしか就航せず、海外の航空会社も片手で数えられるくらいしか就航がありません。

  • そのスカイマークだって、倒産して全日空の配下に置かれる事になりました。今後茨城からの撤退も充分あり得ます。

これでは、空港アクセス交通機関も、大して利益を得られないのではないでしょうか。


"青春18きっぷ対応夜行列車"は救世主になれたか?

日頃当ウェブログで散々ディスっている某自称旅行会社社長は、鹿島鉄道の再生案の中で、「青春18きっぷに対応する夜行列車を運行する」と言うのを挙げておりました。

さて、それが実際に鹿島鉄道の救世主になったかと言う話です。


感想と言うよりツッコミを幾つか

この案に対し、制作者の感想と言うかツッコミを幾つか:


首都圏から昼行で充分行ける程の近場に、誰が夜行列車で行こうと思いますか?

バスで数時間で行けるところ、わざわざ夜行で夜遅く出発するって、夜逃げでもしろと言うのですか?

中部以西などからの需要を考慮するなら、夜行列車は益々不適切でしょ?

それこそ、『ムーンライトながら』などに接続する列車つまり昼行列車にするべきでしょうよ。


小川や鉾田に、夜行列車を動員する程の需要があると思いますか?

需要が鉄道では小さ過ぎるからこそ廃止になったのでしょ?

毎日コンスタントに大量のお客を運んでいれば、黒字になって親会社の関東鉄道も廃止を考える事すら無いでしょうよ。


そもそも、石岡までは誰がどうするんですか?

常磐線経由? 東日本旅客鉄道が資本関係もないローカル鉄道のために身銭切って協力してくれるとでも思っているんですか?

くりはら田園鉄道も南部縦貫鉄道も十和田観光電鉄も、そして同じ茨城県の日立電鉄もみ~んな見殺しですよ?

それに、東日本旅客鉄道に常磐線と鹿島鉄道線の双方の仕様に対応した車輌があるのですか?

軌間が同じであれば走れると思う程単純じゃありませんよ?

  • 電化・非電化の違い、ATS など保安装置の違いだけでも、乗入が出来なくなります。

よしんば使える車輌があったとしても、鹿島鉄道内の運転は誰がするんですか?

トラックやバスと違って、鉄道車輌の運転台はまちまちなので、鹿島鉄道の運転士もすぐには運転出来ませんよ?


青春18きっぷで鹿島鉄道に収益があると思いますか?

JR グループのきっぷなのに、資本関係もない会社がその収益を取れると思っているんですか?

東日本と言えども、他所の会社に売上を分配する程収益は出ませんよ?

青春18きっぷ一回分での東日本の収益には諸説ありますが、最も有力な説では 771円程と考えられます。

その中から鹿島鉄道に運賃相当を払えと言うのですか?

仮に貰えたとしても、一回あたり数十円がいいところでしょ?

そんなんで赤字が解消出来ると思っているのですか?


結論

つまり、寝言は寝て言えと言う事です。

いや、ひょっとしたら、鹿島鉄道線再建のためと言うのは建前で、本当は常磐線経由の東北夜行を走らせるためだけに鹿島鉄道をダシにしたのではないのですか?


蛇足ですが…

ちなみに、千葉県の第三セクタ・いすみ鉄道では自社線内での夜行列車を運転しております。

ただ、これはあくまでも鉄道ファンをターゲットにした企画列車で、通常の運賃より遙かに高い特別料金を払うものです。


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